飛行機ネタ 全ての始まりだったB737-700(4月12日 晴れ 24℃)

※2日分の日記を掲載します。

※4月9日 晴れ時々曇り 20℃

気象台は昨日、仙台で桜の開花宣言を出した。

昨年より11日遅いと言う事だが、この週末は好天で気温も上がるため、「満開予想」は僅か3日後の11日だと言う。

高気圧が全国を覆って、南から暖かい空気が流入するため各地で20℃を超え、まさに春本番の週末だ。

内陸やフェーン現象がおこる場所では25℃前後まで上がった所もあり、春を通り越して「初夏」の陽気になった所もあったようだ。

お花見には最適の週末と言えそうだが、この気温で動き回ると汗ばむくらいではないか。

ただ油断は禁物。週刊予報を見ると晴れて気温が高いのは週明けまでで、その後は曇りや雨が続くようになり、気温も平年並みかそれ以下になると言う。

この週末、子供や若い人は上着どころか「半袖」になりたくなるだろうが、そのままにしておくと大変な事に・・・。

最もこの極端さが、春なのかも知れない。

昨日市内では学校の「入学式」が集中したそうで、新入生の新しい生活が始まったようだ。

夕方街に行くと、帰宅ラッシュ以上の人出があって驚いた。

区内の公立高校の入学式の帰りの生徒が多かったらしく、通りがかった地下鉄駅の定期券販売窓口では、これまで見たこともない大行列が出来ていた。

まるで「団体」のようで、良く見ると同じ制服の生徒の他、同伴した保護者も一緒なので混雑に拍車がかかったらしい。

交通局のHPを見ると、なんと「90分待ち」と出ていて、仙台駅では「120分待ち」の時間帯もあったそうだ。

なるほど高校生の場合は、学生証など証明書が必要だから入学式以降でなければ購入できないので集中したのだろう。

生徒の中には、生まれて初めて定期券を持ち、一種の「長距離通学」を体験するのだ。

公立の小中学校は基本的に地域にあるから、初めてバスや地下鉄を使って遠くまで通学する生徒もいるだろう。

私もまた、同様であったことを行列を見て思い出した。

今こそ居住するのは「仙台市泉区」だが、当時はまだ合併前で独立した「泉市」だった。

当時住んでいたのは現在の「宮城野区」で、学校は「泉市」だった。

もちろん地下鉄はまだなく、学校まではバスの乗り継ぎだった。

しかも最寄りのバス停から学校までは、徒歩で10分くらいかかったので、通学時間は1時間半ぐらいであった。

ほんの3週間前まで通っていた中学校は、自宅から徒歩10分。

それがいきなり、バスを2本乗りついで1時間半の通学生活になったのだから戸惑いは大きかった。

幸い中学の同級生の何人かも同じ高校だったから、同類相哀れむではないけれど最初のうちは待ち合わせして一緒に通ったので心強かった。

そして初めて手にした定期券は、何となく大人に一歩近づいた気がした。

今こそ定期券はICカードが主流だが、当時は窓口で発行する本当の「券」。

なのでパスケースに入れて、運転士さんに「はっきりと見えるように」提示して降車するのだ。

今もこうしたアナログ的な定期券が存在するのか分からないが、懐かしい思い出だ。



◎4月12日

今週は一気に「春爛漫」と言う言葉が相応しい、青空は続く。

気象台は昨日、市内の桜に「満開宣言」を出した。

「開花宣言」が9日だったから、なんと2日間で満開になったことになる。

予想通り初夏の様な気温が後押しした訳で、仙台の最高気温は昨日が24.7℃、今日が24.5℃と7月中旬並みの「暑さ」だった。

内陸では28~29℃まで上がった所も多く、桜も一気に・・と言うよりも慌てて満開になったのかも知れない。

私も今日は、今年初めて上着なしで外出した。

空気が乾燥している事もあり、私には長袖シャツ1枚でちょうど良かった感じだ。

確かに行く先々で桜は満開に近く、中心部よりも咲き方の遅い泉区も、今日は満開に近い桜が多かったように思う。

加えて学生の新学期も始まった所で、いやがうえにも春の風景で街は埋め尽くされていた。

櫻で有名な中心部の「西公園」や「榴ヶ岡公園」では、お花見の「さくら祭り」が始まって多くの人で賑わったと言う。

コロナ禍で一昨年・昨年は中止。

コロナ禍自体はまだ収束していないが、一定の落ち着きを見せていることから3年ぶりの開催となったと言う。

たまたま所用が重なって、私にしては珍しく市内を動き回る一日だったが、こうして見るといかに桜が街中に植えられているかを認識する。

桜が満開なのは数日間。来週の半ばにはもう見ごろは過ぎているだろうから、まさに美しくもはかないとはこの事。

同時に1年の大半はどこにでもある葉っぱで覆われた樹木にしか見えず、意外と目立たず認識しづらい。

少し高い場所から見ると、本当にあちこちで「桜色」の塊が見え、こんなにも桜はあるものかと思うのだ。

それだけ日本人にとって、桜は大事で大好きな花・樹木であると言う事なのだろう。

季節外れの高温で、今年はまとまった桜を見ることができそうだ。



元気ですか?

今日は良い一日でしたか?

体調はどうですか?

風邪など引いてませんか。

春を通り越したような陽気、君もちょっと暑さを感じたことでしょう。

ふと以前君と公園を散歩した時、こんな暖かさの日だった事を思い出しました。

この春、君はどんな想いで桜を見るのでしょう。

桜はとても美しい樹木ですが、好き嫌いが出るとも言われます。

春を代表する花であることは、人によって印象も変わるからでしょう。

私は以前はとても好きでしたが、今はあまりそう思わなくなってしまいました。

でも君は笑顔で桜を見ているかも知れない、と思うと、少し心が和みます。

あっという間に散ってしまうのではかなさを感じる桜ですが、また来年も見たい・・と思う気持ちが大切なのかも知れません。

週末は、一気に肌寒くなると言う予報が出ています。

今日の様な汗ばむ陽気から、一気に上着が手放せない気温になると言いますので、体調管理には充分注意して下さい。

明日もどうかお元気で。

君に笑顔がありますように。

お休みなさい。


朝かすみ 春日の晩(く)れば 木の間より うつろふ月を いつとか待たむ(万葉集巻十 1876 春雑歌)






飛行機ネタ。

全日空からB737-700が退役して、間もなく1年が経とうとしている。

言い換えれば、まだ1年も経っていないと言う事なのだが、すっかり「過去帳入り」したように忘れ去られた存在になってしまった。

同じく同社グループで活躍した「737クラシック」の500型は、それより先の20年初夏に退役し、全国ニュースでも報道された。

また整備訓練機材として、日本のエアラインでは初めて1機が残され、機体登録も残され保存されている。

同機は元グループエアラインだったエアー・ニッポンが初めて自社発注で導入した機材で、退役まで実に四半世紀に渡って飛び続けた。

一方「クラシック」を大幅に改良した「737NG(ネクスト・ジェネレーション)」シリーズであるはずの700型は、初号機の導入が05年。

退役が21年だから、活躍期間は16年間と500型に比べて遥かに短い期間であった。

トータル数は500型が、リース機を含めてのべ25機だったのに対し、700型は18機。

数としてはそれほど大差がないはずだが、終始地味な存在だった事は否めなかった。

1-1-1-1B B737-700_ANA(JA02AN).jpg ↑21年6月に退役した全日空のB737-700。その活躍期間は約16年と比較的短かった。最後に残ったのは3機。そのうちの1機は画像の「JA02AN」で、05年に「ゴールドジェット」として導入された機体(ウィキペディア英語版より)

「737NG」を日本で最初に発注、就航させたのは全日空で、運航自体は500型を運用していたエアー・ニッポンだった。

計画当初は500型の後継機種であったが、700型のパフォーマンスを考慮して新たなカテゴリー機種として当面併用する計画に変更した。

これはグループの再編に伴う変更で、それまでエアー・ニッポンは全日空との共同運航のほかに、独自路線の運航を行っていたが、全てが共同運航及び全日空便としての受託運航に切り替えられたからだ。

その為500型はエアー・ニッポンが発注・受領していたが、700型では全日空の発注機として導入されている。

それまでの737の基本コンセプトであった「短距離旅客機」と言う概念を、「737NG」では一気に打ち破る性能を有していたからに日かならない。

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1-1-1-1B B737-700(JA02AN)_Gold_Jet.jpg ↑(2枚)日本で初めて「737NG」を導入した全日空。初号機と2号機は宣伝を兼ねて塗装のブルー部分を金色に変えた「ゴールドジェット」として就航した。塗料の関係でトーンが落ち着いた金色で、今の目で見るとあまり目立たない金色であった(ウィキペディア英語版より)

同シリーズで最初に完成・生産が開始されたのは700型で、基本型である。

座席数はモノクラス標準で140席、2クラスならば125席前後。

これは「クラシック」だと300型と400型の中間にあたるが、経済性が大きく向上したことで基本型としてやや大型化させたからである。

逆に200・500型に相当する120席級として、後から600型が生産されたが、既に100~120席前後のリージョナル機(CRJやEジェットシリーズ)が現れていたことから受注は伸びず、極初期段階で受注した69機の生産に留まった。

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1-1-1-1B B737-700,_ANA JA14AN.jpg ↑(3枚)ER2機を含めて18機を運用した全日空。当初運航はエアー・ニッポンが担当した為、小さいながらも社名ロゴが記入されていた。グループ再編後はエアー・ニッポンの後継となるANAウイングスが運航して、「IOJ」ロゴに統一された。00年代までは国内線と近距離国際線で運用されていたが、10年代後半になると中部や関空発着の近距離国際線専用機材になって、キャビンも2クラスながら国際線仕様で運航されていた(ウィキペディア英語版より)

これは737「オリジナル」の100型に次ぐ少数生産で、同機は先行量産型的な役割であったのに対し、600型は実質的な「ハズレ玉」モデルであった。

700型が登場した90年代末は、燃料価格の高騰や世界情勢の激変・細分化、環境問題の高まりとエアライン業界も無縁ではない時代に突入していた。

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1-1-1-1B B737-700 SOUTHWEST-N730SW.jpg ↑(2枚)737NGの時代の幕を開けたサウスウエスト航空。上は導入当時の塗装で、初期生産機にはウイングレットがなかった。のちにオプションとして装着されたが、殆どの機体が装着済みで生産されている。同社は現在も約500機と言うけた外れの700型を保有し、全米の空港で見ることが出来る。もっとも成功したLCCとして、世界中から「お手本」にされているが、実際には無料の機内サービスや預託荷物のシステムを持ち「準LCC」の様なエアラインだ。サービス自体は日本の国内線と同レベル程度だが、機体の多くはアメリカでは珍しくエコノミークラスだけだ。後継機種として「MAX7」を発注しているが、それが出揃うまでは700型がメイン機材として活躍することが決まっており、生産停止以降代替えなどで放出された700型を中古機として世界中から買い集めて機数を維持している(ウィキペディア英語版より)

すなわち新しく求められる旅客機とは、経済的・低公害と以前なら相反する要素が同時に求められるようになっていたのである。

だが技術の進歩で、それらは不可能から可能になり、737NGもまた「クラシック」とは一線を画する性能を持つにいたった。

複合材の利用や主翼形状の変更などで機体の軽量化が図られ、改良型のエンジン「CFM-56-7B」が加わって航続距離が大幅に増大していた。

700型の最大航続距離は約6,300キロにも及び、同シリーズの開発のきっかけとなるエアバスA320シリーズに迫る性能が実現した。

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1-1-1-1B B737-700-Transavia_(PH-XRC).jpg ↑(3枚)なぜか頑なにA320シリーズを使わない、オランダのエアライン。フラッグキャリアKLMと、傘下のLCCトランザビアの700型。どちらも主力は800型だが、路線需要に合わせて700型も活躍している。KLM機は主に域内路線の主力でもある(ウィキペディア英語版より)

機体規模はA320より一回り小さいA319とほぼ同サイズで、航続距離も同格となった。

もちろんB737としては驚異的な性能であり、エンジンも当初から長時間洋上飛行規制「ETOPS」の取得を念頭に置いていた。

97年に初飛行した原形機のテストでETOPSを取得しており、安い運航コストでの長距離飛行が可能であった。

デビュー後は短距離運航を主体とするエアラインが多かったが、徐々に3~4時間に及ぶ中距離路線へ投入される事も増え始めていた。

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1-1-1-1B B737-758,_El_Al_Israel_Airlines_4X-EKD.jpg ↑(2枚)エルアル・イスラエル航空の700型は、初期生産型のみでウイングレット未装着。800・900ERが導入されたことで退役した(ウィキペディア英語版より)

700型の全長は33.6メートルで、300型よりも僅かに長くなっているがキャビンの全長はほぼ同じ。

内装構造の見直しで、300型よりもキャビンアレンジが増えて座席数も増加したが、主翼が大きくなったことで機体重量も増加した。

それは総重量、すなわち燃料を筆頭とする積載量が増えた事を表し、航続距離に関しては300型よりも倍近く延長している。

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1-1-1-1B B737-700 Turkish_Airlines,_TC-JKO.jpg ↑(2枚)フィジー・エアウェイズとターキッシュ・エアラインズの700型(ウィキペディア英語版より)

初期の機体では、翼端にウイングレットは装備されていなかったが、すぐにオプションとして装着されるようになり、結果的には標準装備とされた。

ウイングレットを含む翼幅は35.8メートルとなり、全長よりも長いことになる。

これは離着陸性能の効果を及ぼすだけでなく、燃料タンクが大きい事をも意味し、それが長大な航続距離をもたらしていた。

1-1-1-1B B737-700_ANA JA18AN.jpg ↑メインモデルとなった800型と比べると、700型は小さくコロッとした印象を受けるが、主翼は全長よりも長く、新しく設計された主翼の効果が一番現れるモデルでもある。この角度から見るといかに主翼が長く大きい事が分かる(ウィキペディア英語版より)

ファンにはよく知られる所だが、全日空が発注した700型の中で「国際線専用機材」として2機の「700ER」が含まれていた。

ボーイングは、同機の性能を鑑みてプライベート機として「737BBJ」を計画しており、全日空はこの「BBJ」をベースにした「700ER」を発注したのである。

同機は完全な特別仕様で、経済発展の著しかった東南アジア・インド方面へのビジネスマンを対象とした「オールビジネスクラス」であった。

最初に導入した「JA10AN」は、ビジネスクラスの他に「エコノミーBJ」と名付けた新規格のクラス(現在のプレミアム・エコノミーに相当)の2クラスで、座席数は僅か48席。

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1-1-1-1B B737-700ER ANA(JA10AN).jpg ↑(2枚)世界初となった全日空の「700ER」初号機、「JA10AN」。キャビンはビジネスクラスと、同機専用の「エコノミーBJ」の2クラスで、座席数は48席。需要が高まっていたアジア方面のビジネス客専用機として「ANAビジネスジェット」の名付けられた。生産数は僅か2機の「激レア」機種であった(ウィキペディア英語版より)

当初はビジネス需要の多い中国線に投入されたが、それでも3~4時間と日本のB737では最長距離・時間の定期便であった。

やや間を置いて導入された2号機「JA13AN」は、2クラス制ではなく本当の意味で「オールビジネスクラス」だけで、座席数は36席だった。

この機体は東京~ムンバイ間に投入され、その飛行距離は約6,700キロ。時間にして9~10時間と言う、定期便の双発ナローボディ機としての記録を樹立した。

実はこの2機、1,000機以上生産された700型では唯一「ER」として登録された機体であるが、中身は若干異っていた。

真の意味での「700ER」は、2号機である「JA13AN」の方で、この機体は主翼の一部と胴体の貨物室を燃料タンクが追加された構造を持ち、航続距離は何と10,200キロもあった。

1-1-1-1B B737-700ER ANA-JA13AN.jpg ↑外観こそ「JA10AN」と同じ、2号機の「JA13AN」。補助燃料タンクを装備し、最大航続距離は約10,200キロにも及び、これはB767-300ERやB777通常型、B747クラシックに相当する。本来の意味での「700ER」はこの2号機だった。キャビンも1号機とは異なっていて、オールビジネスクラス38席と言う豪華仕様だった。東京~ムンバイ線に投入され、B737の定期便としては世界最長距離を誇った。しかし路線の需要が急増したと言う理由で、B767に変更。同機の活躍は数年間だけだった(ウィキペディア英語版より)

一方初号機の「JA10AN」に増加燃料タンクはなく、燃料積載量は通常の700型と同じだった。

ただ長距離運用を考慮して、脚や主翼桁の一部が強化されていたり、水タンクの容量が増やされており機体重量は設計値最大で運航できるようになっていたため「ER」となっていた。

1-1-1-1B B737-700ER_ANA JA10AN.jpg ↑通常塗装になったB737-700ER。機材変更後、2機の700ERは塗装だけでなく、キャビンも通常型と同じレイアウトに変更され、700型と混用された。しかし機体重量がやや重い事などから他の機体よりも早く、16年に退役した(ウィキペディア英語版より)

2機の700ERの運用は世界でも注目され、現在に至るまで700型最大のユーザーであるアメリカのサウスウエスト航空とアロハ航空は、全日空の様子を見たうえで西海岸~ホノルル間の直行便に700型を投入。同社初のハワイ線を開設している。

双発機の洋上飛行規制「ETOPS」が緩和された事もあり、欧米ではナローボディ機B757での大西洋横断路線や5~6,000キロ程度の路線でも運航されていた。

座席数が供給過多にならず、運航コストの安い双発ナローボディ機での長距離運用は現実味を帯びてはいたが、それはワイドボディ機並みの飛行性能を持つB757ならではの事と考えられていた。

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1-1-1-1B B737-760,_Ethiopian_Airlines.jpg ↑(2枚)TAAGアンゴラ航空と、エチオピア航空のB737-700.いずれも現役(ウィキペディア英語版より)

しかし「短距離機」であったはずのB737が、700型によってB757やワイドボディ機でもあるB767と同じ路線で運用できる事に、多くのエアラインはそれまでの概念を変えざるを得なくなったのである。

最もライバル・エアバスのA319も、大西洋横断路線での運航を開始しており、B737による完全なアドバンテージとはならなかったが、知名度と言う点ではまだ737の方が上であり、「737NG」の名声を押し上げる事になるのである。

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1-1-1-1B B737-700 AIR ZENA-4L-TGM.jpg ↑(2枚)中央アジアトルクメニスタンのフラッグキャリア、トルクメニスタン航空とカフカス諸国、ジョージア、エア・ゼナのB737-700.いずれも機数は少ないが現役にある(ウィキペディア英語版より)

もちろん従来の短距離路線では、持ち前の経済性・安全性で高い運航率を維持した他、「クラシック」に比べて燃費も良く利益を向上させたが、それまで不可能とされて来た3~5,000キロ前後の中距離路線では、より実力を発揮したのである。

またこうした新しい性能によって、派生形も生み出した。

全日空の「700ER」は、元々計画されていたプライベート機・ビジネス機から派生したもので、「BBJ(ボーイング・ビジネス・ジェット)」と名付けられた。

同機の航続距離も10,000キロに達しており、企業向けと言うよりも政府専用機などのVIP輸送機として受注している。

1-1-1-1B B737-7Z5_BBJ_ABUDABI.jpg ↑プライベート・VIP機として開発された700型ベースの「737BBJ」。画像はUAEアブダビ王室専用機(ウィキペディア英語版より)

この他通常の700型とほぼ同じ軍用輸送機、そして胴体上部に大型のレーダーを装着した早期警戒機「B737AEW&C」も生産されており、融通性の高い機種として証明されている。

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1-1-1-1B B737-700  C-40B U.S._Air_Force,_05-0932,BBJ.jpg ↑(2枚)軍用型B737-700であるアメリカ海軍のC-40Aと空軍のC-40B。A型のベースは通常の700型で、主に人員輸送に使われている。一方空軍のB型のベースは「BBJ」で、塗装を見ればわかる通り運用こそ空軍だが、政府専用機・VIP輸送機として使われている(ウィキペディア英語版より)

だが旅客機としては、胴体を延長した800型の生産が開始されると、多くのエアラインはそちらに目が向き、メインモデルの称号は800型に奪われてしまった。

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1-1-1-1B B737AEW&C ROKAF.jpg ↑(5枚)700型をベースに開発された早期警戒機「737AEW&C」。胴体上に長方形の大型走査レーダーを装備しているのが特徴。このレーダーは最大で800キロの走査能力を持ち、陸上・海上の目標物を追跡できるルックダウン能力を持つ。ただしE-3AやE-767の様な円形で回転する全周レーダーではないので、レーダーの走査角度には制限がある。上3枚は最初に同機を配備したオーストラリア空軍機で、3枚目のように空中給油能力を持つ。4枚目はトルコ空軍、5枚目が韓国空軍機。能力はやや限定的であるものの、機体価格や維持費が比較的安価で済むことから、複数の国が導入を検討している(ウィキペディア英語版より))

700型は1,128機が生産され、貨客両用型の「700C」が22機、「BBJ」が121機、AEW&Cが17機生産された。

旅客機としての生産は「MAX」に移行したため、実質上中止されたが、BBJと早期警戒機や軍用輸送機は若干の受注残があり、全体としての生産は継続されている。

これは800型の哨戒機「P-8A」と同じく、700型も生産ラインが維持されていると言う事だ。

BBJは800・900型にも存在するが、メインは700型だ。

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1-1-1-1B B737-700 ALASKA N626AS.jpg ↑(2枚)700型から900型まで運用する、737NGのヘビーユーザー・アラスカ航空。その多くは800・900ERで700型は少数派。一部の機体は改造して貨物機として運用しており、同社は世界で唯一改造貨物機「700SF」(下)を保有している(ウィキペディア英語版より)

生産数としては決して少なくないが、800型が5,000機近くと言う未曽有の生産数を達成したことで、700型はその約1/4程度と完全に「陰」の存在になってしまっているのは明らかだ。

1世代前のワイドボディ多発機並みの航続距離を有した700型は、出現当時こそ脚光を浴びたが、やがて「理想と現実」に引き離されることになる。

世界のエアラインはまだ、そこまで徹底したコストセーブ・ダウンサイジングに固執する程ではなく、むしろ経済性をより引き出せる座席数の多い800型を選んだ。

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1-1-1-1B B737-732,_Delta_Air_Lines.jpg ↑(3枚)意外にもアメリカのメジャーで700型は少数派。ユナイテッド航空の機体は、統合前のコンチネンタル航空が導入した機体。下はデルタ航空の700型(ウィキペディア英語版より)

800型の航続距離は約5,300キロだが、ナローボディ機として充分過ぎる値であり、座席数が遥かに多い800型の方が多目的性に優れていると判断されたのである。

700型はサウスウエスト航空がローンチカスタマーだったが、現在も同社が最大のユーザーだ。

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1-1-1-1B B737-700 TAROM -YR-BGI.jpg ↑(2枚)SASとタロム・ルーマニア航空の700型。前者は統合したノルウェー、ブラーゼンス航空が導入した機体。タロム航空機は800型とともに、同社のフラッグシップ機として活躍している(ウィキペディア英語版より)

新造機として400機以上と言うけた外れの700型を導入し、現時点でも約500機を保有する「バケモノ」的700型ユーザー。

生産停止後も、世界から放出された700型をかき集めてまで勢力を維持している。

ただし世代交代の日はそう遠くない将来に控えており、同社は「MAX」への更新を予定している。

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1-1-1-1B B737-700 EASYJET G-EZKF.jpg ↑(2枚)ヨーロッパで最も多く700型を導入したドイツのLCCエア・ベルリンと、イギリスのLCCイージージェット。前者は40機以上を運用したが、A320シリーズに変更し、700型はチャーターエアライン「TUI」に売却された。同社は17年に倒産した。イージージェットも現在はA320シリーズに交替している(ウィキペディア英語版より)

現在「MAX8」を保有しているが、最近「MAX7」の導入も開始され、200機を発注している。

1,128機のうち、半数近くがサウスウエスト航空機であり、同社のある意味「異常さ」を感じる半面、世界的には意外と「ウケなかった」と言っても良いかも知れない。

同社以外でも600機前後が売れているが、B737と言う機種である事、そして後からデビューした800型の快進撃と比べると「ハズレ玉」感が強い。

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1-1-1-1B B737-700 Xiamen_Airlines.jpg ↑(2枚)中国国際航空と履門(アモイ)航空のB737-700。中国では複数のエアラインが700型を導入したが、その後800型に変更する例が多く、相対的な数は少ない(ウィキペディア英語版より)

事実737NGの魅力で700型を発注し運用したエアライン数は100社以上に上ったが、多くが後に800型やA320シリーズに変更する例が見られる。

その為現役機の数は減りつつあり、ますます目立たない存在になっているが、それでも800機以上が現役にあると思われる。

17年には「MAX7」の原形機が初飛行し、サウスウエスト航空が200機と大量発注して正式にローンチ。

これまでに280機以上の受注を得ている。

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1-1-1-1B B737_Max7_N720IS.jpg ↑(2枚)最近生産が開始されたB737-MAX7(ウィキペディア英語版より)

140席級と言うのがいささか中途半端で、人気がなかった700型であるが、実際にはそのパフォーマンスは卓越していた。

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1-1-1-1B B737-781_AIR DO JA16AN.jpg ↑(2枚)現在日本で唯一B737-700を運用するエア・ドゥ。8機保有し、自社路線の他全日空とのコードシェア便として西日本まで幅広く運用されている。同機は全て全日空からのリース機であるが、同社から退役したことで「供給元」が途絶えた形になっている。機体寿命はまだ残っているが、少なくとも数年以内に後継機種の選定が迫っている。一方で800型を運用するソラシード・エアとの経営統合が決定しており、800型に変更するのか、中古の700型を探すのか、それとも「MAX」シリーズにするのか、去就が注目される(ウィキペディア英語版より)

800型に見慣れていると、いかにも小さく昔ながらの短距離機に見えてしまうが、先に書いたように737NGシリーズ中最も航続距離が長いモデルであった。

乗客にとっては賛否両論だろうが、エアラインには激変著しい時代にあってそれに耐えうる性能を持つ機体だったのである。

現在日本では、エア・ドゥだけが700型のユーザーで、その数は8機。

日本の737の中で、同機は最小の勢力であり、「レア機」になりつつある。

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1-1-1-1B B737-700 WESTJET C-GWCN.jpg ↑(4枚)現役にあるASLエアラインズ・フランスと、中米パナマのコパ航空、南米ボリビアのBoA、カナダ第二のエアライン、ウエストジェットが保有する700型。ASLエアラインズは、アイルランドに本社を多く貨物エアラインで、ヨーロッパ各地やトルコにも拠点を持つ。同機は中古で導入した通常の700型だが、「貨物機」として運用している。その多くは郵便物や小口宅配貨物なので、機体は無改造のまま使用しており、キャビンは座席を一部撤去しただけの「簡易貨物機」として使っている(ウィキペディア英語版より)

世界でも年々数は減少しつつあり、機体規模から貨物機に転用される事例もまだ少ない。

だが700型は、737の歴史を大きく変えた功績機であった事を忘れてはならないのである。

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