飛行機ネタ ベストセラーの陰にハズレ玉あり、B737-600/900(4月22日 雨のち晴れ 23℃)

※2日分の日記を掲載します。

◎4月18日 晴れのち曇り 18℃

週末は快晴だったけれど、今日は雲が優勢。

午後からは県南部を中心に、小雨がぱらついた時間もあったようだ。

今日の様な天気を「花曇り」と言うのだろうか、桜のピークは過ぎたもののそんな空だった。

気温は平年より高いが、日差しがなかった分暖かさはあまり感じられなかった。

いつしか4月は下旬を迎え、世間ではGWの話題が出ている。

昨年・一昨年はコロナ禍で規制中で、そうでなくとも大型連休を楽しめる気分ではなかった。

さりとて今年もコロナ禍が収まっている訳ではないが、ワクチン接種が進んだことや重症者・死者が激減していることから「3年ぶり」の大型連休に期待が寄せられている。

最もメディアが行ったアンケートでは、「どこかへ出かける予定はない」と答える人が7割近くを占めたと言う。

一方JRや航空会社は「昨年比」として、予約状況が7割増しだと言うが、コロナ前と比べると半分以下。

GWの「民族大移動」は、コロナ禍で慣習から消されてしまったのかもしれない。

特に状況が異なる海外へ行く人は相変わらず少ないようで、ウクライナ情勢も大きく影響していそうだ。

今年は日並びが良く、29日から10日間連続休みも可能だと言う。

特に5月第一週は2日と6日が「空き」なので、この2日間を埋めれば正月休み以上の長さになる。

私も今年はほぼ同じくらい休みに出来そうだが、もちろん出かける予定など一切ない。

お金がない事が一番の理由だが、どこへ行っても無駄に混雑しているし、やはりコロナが気になってしまう。

多分普段と変わらないパターンの生活が、連休中も続くのだろうと思う。

夜、近所の桜並木の道を通ったら、まだ満開状態であった。

暗かったのではっきりとはわからないけれど、「葉桜」になりつつあるようだがまだ見ごろと言っても良いように見えた。

先週の雨と低温で、散ってしまったかと思っていたが、確かに花弁が落ちてはいるが思いの外・・と言う印象。

満開になって一週間は経っているから、今年の桜は「長持ち」だ。

今度の週末は間に合わないと思うが、明日明後日ぐらいまでは「満開」を見ることが出来そう。


◎4月22日

初夏を思わせる気温に、ちょっと体を動かすと汗ばむ。

まだ高温に慣れていないせいか、「暑い」と感じてしまうほどだ。

夜明け頃まで雨が降っていて、午前中まで降ると言う予想だったが、8時頃には青空が広がった。

ちょうど出かける時間で雨の影響は受けなかったが、道路はところどころ濡れていたし、そのせいで空気もムシッとしていた。

今週始めまでは満開だった桜は、一気に今年の「任務」を終えて「葉桜」から「若葉」に移りつつある。

雨が降った事もあるのだろう、周囲を見るといつの間にかあちこち鮮やかな緑の若葉が増えていることに気付いた。

考えてみたら4月ももう下旬で、来週にはGWが始まる。

正に新緑の季節を迎える訳だが、ほんの数日前は街が「桜色」だったから、その変化に戸惑いを感じる。

予報では、しばらく20℃前後の高温傾向が続くと言うが、あくまで「季節外れ」の高温。

春先にはよくあることで、高低を繰り返しながら季節が移って行くのだろう。

服装はさすがに半袖姿の人は見かけないが、軽やかな姿の人は、特に若い女性を中心に増えて来たと思う。

しかし「仙台人」は良くも悪くも、服装には保守的で気温が上がったからとすぐ半袖で出歩く人は少ない。

時代とともに変わるかなと思っていたが、令和になってもその「伝統」は生きているようだ。

日中汗ばむ陽気でも、朝晩はまだまだ寒く感じる事も多く、軽はずみに薄着は出来ない。

今私は期間限定の「外注」の仕事で市内の某大学キャンパスに「通って」いるが、学生の殆どもせいぜい「春の装い」で夏服は見かけない。

それに今日は終日北寄りの爽やかな風が吹いており、日差しは少しきついながらも「暑い」と言う感触はなかった。

それ以上に季節を感じたのは、キャンパスの中に「燕」が多数飛んでいた事。

そうか、そう言う季節でのあるのか・・と感慨深い。

彼らが飛び交う建物の軒下には、良く見るとたくさんの「巣」があった。

ちょうど休憩時間に、屋外のベンチで暫く見ていたら、数組の「つがい」らしい。

時期的にはまだ「巣作り中」で、産卵・子育てはもう少し後の事だと思う。

見ていると、確かに巣と空を行ったり来たりしているのは2羽の燕で、「新居」を整えているのだろう。

燕は全く新しい「新築」の巣を作る場合と、前年の「中古」を使う場合がある。

しかも中古で再利用する場合、以前に「本人たち」が作った巣である事も珍しくないそうである。

燕は秋になると南下し、暖かい国で越冬し春になると日本へ戻ってくる「夏鳥」、渡り鳥だ。

その姿を見てわかる通り、スズメの仲間で体長も大きくて20センチ程度の小鳥だ。

にもかかわらず、越冬のために海を渡り、なんと数千キロも離れたフィリピンやインドネシア辺りまで南下する個体もいると言う。

最も全てがそうではなく、国内のあまり寒くなく雪が少ない地域で越冬する燕も多いそうだ。

人間が多数いる所でよく子育て出来るなあ、と思うが、人間のいる場所の方が子育てには安心だからだ。

燕の「夫婦」は、毎年7~8個の卵を産み雛を育てるが、独り立ちできるまでの雛には当然天敵も多い。

タカ・ハヤブサなどの猛禽類はもちろん、カラスも雛を襲う事は珍しくない。

この他猫・ヘビも天敵である。

それらから雛を守るには、人間界の中が一番安全と言う事らしい。

加えて軒先と言う高い場所に巣を作るから、より天敵は近付く事がない。

そう言う意味で、本当の天敵は人間かもと思う。

昔から日本では、燕の巣は縁起物で、その家には幸福が訪れると言われて来た。

しかし「フン害」を嫌い、駆除する人もいる。

既に「空き家」になっている場合は仕方ないと思うが、子育て中に破壊する「外道」もごくたまにいるらしい(卵や雛を傷つける行為は鳥獣保護法に抵触する)。

最近では巣を作られやすい駅や商業施設などでは、「この上に燕の巣があります。フンに注意し、子育てが終わるまで暖かく見守って下さい」なんで張り紙を掲げる風景も増えた。

「フン害」になりやすい直下には、わざわざ段ボールを置いていたりして、その心意気に感動してつい巣を見上げてしまう。

燕の「つがい」は生涯共に過ごし、子育てをする。

産卵後、雛は生まれ独り立ちするまで、夫婦が責任を持って、そして正に命をかけて育てる。

雛は親が餌探しから帰ってくると、顎が外れそうなくらい口を開けて餌をねだる。

そんな光景を見た人も多いと思うが、その時期に雛を見ようと近づくと、親鳥が威嚇してくることもある。

人間が雛に危害を加えるとは思っていないようだが、警戒してその人間の目の前を何度も高速で通過する。

「家に近づくな!」と言っているようで、彼らにとって我が家と雛は命がけで守る対象なのだ。

数羽の雛の中には、独り立ちする前に死んでしまう者もいる。

餌のおねだりは、生まれて最初に課せられる「生き抜く」ための試練で、ほかの兄弟より弱く、取り合いにどうしても勝てない場合もあると言う。

ところが親鳥は、そうした気弱な子を特別扱いしない。

生き抜く「貪欲さ」「器用さ」を持てなければ、仮に成長できても独り立ち以後自分で生きて行くことは不可能であり、親鳥はそれを知っているからこそ敢えて甘やかさない。それで死んでしまっても、それが雛の運命だったと割り切っているのだろうか。

過酷過ぎるけれど、親鳥は命がけで雛を「立派な大人」に、そして責任を持って育てる事は間違いない。

燕を見ていると、それに比べて人間って・・・と思ってしまうのは私だけだろうか。



夜に寒さを感じないのは、本当の春が来た証拠。

車や人通りが減る夜の道を歩くと、ほのかに新緑の匂いがした。

これから日ごと、それを感じる日が多くなるのだろう。

季節の移ろいは毎年同じなのに、その速さにどうしても戸惑う。

来週には大型連休がスタートし、季節は初夏、そして夏へと向かう。

この春、新しい生活をスタートさせた人たちも、少しずつ慣れて季節を思う日々が来るのだろう。

帰り道、駅からずっと歩いてきたら、家に着く頃少し汗ばんでいた。

上着自体も、そろそろ要らない時期かな、と思う。



元気ですか?

今日は良い一日でしたか?

体調はどうですか?

風邪など引いてませんか?

桜も終わり、街の風景も新緑を始めとして華やかさが増しています。

君も軽やかな春の装いで出かけていることでしょう。

この春、君は桜を見ましたか?

まだ咲いている所もあるようですが、これからは更に花の季節を迎えます。

世の中は、そんな季節の風景とは裏腹な事も多いですが、心だけでも季節に目を向けていたいものです。

この先、気温や天気は変化を繰り返しそうですので、体調管理には充分注意して下さい。

明日もどうかお元気で。

君に笑顔がありますように。

お休みなさい。



霞たつ 春の永日を 恋ひ暮らし 夜のふけ行きて 妹にあへるかも(万葉集巻十 1894 春相聞歌)





飛行機ネタ。

続けざまで申し訳ないが、今回も「B737NG」。

ファンなら周知のことだが、「ネクスト・ジェネレーション」と呼ばれるB737シリーズは、大きく分けて4つのバリエーションが存在する。

前回書いた700型は、標準座席数が140席で基本型として開発されたが、実際に売れたのは一回り大きく180席級とした800型である。

90年代、同シリーズが開発が始まった時点では前作である「クラシック」と同様、「大・中・小」の3つのバリエーションが計画されていた。

なので最初に作られたのが「中」モデルである700型であり、やや遅れて「大」モデルの800型、そして「小」モデルの600型が登場した。

600型の全長は31.2メートルで、700型よりも約2メートル短く、標準座席数は120席でこれは「オリジナル」の200型、「クラシック」の500型とほぼ同格である。

一方900型の全長は約42メートルで、700型よりも約9メートルも長く、B737では最大のモデルである。

元々「大・中・小」と考えられていたのは、「クラシック」の300~500型のバリエーションを継承したからである。

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1-1-1-2A B737-990(ER)_ALASKA N434AS.jpg ↑(2枚)B737-900のローンチカスタマー、アラスカ航空。画像は現行塗装の900ER(ウィキペディア英語版より)

しかし「737NG」では、もう一つバリエーションが加えられて合計4つになったことが特徴である。

実際最大の900型は、計画当初全く考えられていなかった。

理由としてボーイングには737より一回り大きい「中型ナローボディ機」、B757があったからだ。

90年代以降、エアラインは過当競争時代を迎えて、機材にはそのエアラインに応じた細かな適応性が強く求められるようになった。

同モデルながら座席数の違いが数十と言うのは、あまり関係ないように思えるが、この時代になるとシビアな数字の差となっていた。

通常旅客機の利益は、もちろん利用者数によって左右されるが、利益は運航コストを差し引いた金額である。

定期便1便を運航するには、燃料代と人件費以外に空港使用料がかかる。

それは単なる利用料だけでなく、乗降の為のボーディングブリッジなどの施設、燃料補給の手数料、貨物載せ下ろしの手数料、飲食物の料金と手数料などが加算される他、国際線であればその価格や利用料も違ってくるし、税金が課される場合もある。

1-1-1-2A B737-9K2,_KLM_Royal_Dutch_Airlines.jpg ↑ヨーロッパで最初にB737-900を導入したKLMオランダ航空(ウィキペディア英語版より)

特に基本となる利用料は、金額こそ国によって違うものの、基本的にはその機体の重量や大きさで金額が決められている。

極端な話、飛行機が大きければ大きいほどこうしたコストは高くなるのが当然だが、その分座席数も多いから搭乗率が高ければ利益も上がる。

しかし365日いつでも「満席」になるとは限らない訳で、当然「ガラ空き」の事もあり、そうなれば当該便は「赤字」となってしまう。

ならば機材は少しでも小さい方が良い・・となるのは自明の理で、21世紀になって機体の小型化・ダウンサイジングが進んでいる。

以前の小型機はあくまで短距離用だったが、技術の進歩で航続距離が飛躍的に向上し、中距離線の運航も可能になった。

小型機であれば運航コストは安く、かつ「搭乗率」も高く維持しやすくなる。

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1-1-1-2A B737-900ER KOREANAIR-VVO.jpg ↑(2枚)アジアでは最大数のB737-900を持つ大韓航空。同社は700・800型も保有しているが、最も数が多いのは900型で17機保有している。機体は全て初期生産型である「900」で、「900ER」は保有していない。導入当初はウィングレットを装備していなかったが、現在はレトロフィットさせている。日本線でも定期便で飛来する。日本のエアラインで900・900ERは1機も導入されていないので、日本で乗れる貴重な900型でもある(ウィキペディア英語版より)

そうした変化はエアバスが初めて開発したナローボディ機、A320で決定づけられた。

しかもA320は「大・中・小」に加えて、「極小」と言うモデルを持っていた。

極小と言っても、従来のナローボディ小型機の常識の範囲の座席数で、それに当たるA318、B737-700に対応するA319、そしてメインモデルA320はB737-800に対応し、基本型がB737と比べて大きいモデルが設定されていた。

B737NGでは180席級として800型が存在し、最も生産数の多いモデルであるが、当初ボーイングはそれほど売れないと見込んでいた。

やはりこのクラスは大きくても150席級で、180席級は半端で大きすぎると言う認識を持っていた。

座席数が欲しいならば757があるので、800型はとりあえず作ってみる・・と言う感じであった。

だがA320は予測を大きく超えてセールスを伸ばし、「大きなナローボディ機」こそ経済性に優れると言う新たな展開に発展。

1-1-1-2A B737-900 Shenzhen_Airlines.jpg ↑深玔航空のB737-900。737大国の中国でも、900の採用例は少なく少数に留まった(ウィキペディア英語版より)

737も良い意味でアテが外れ、800型が売れ筋となった。

「大は小を兼ねる」みたいな事だろうか、エアバスも200席級のA321を登場させていた。

発売当初はパッとしなかったが、徐々に売れ始めていた。

321は320よりも僅か20席前後大きいだけだが、それだけではなかった。

胴体が大きい分、機体重量も増えているがA320とさほど変わらない航続距離を持つことから、長距離路線でも運航が可能であった。

A320シリーズの胴体は円形で、床下スペースを大きく取っており燃料タンクや貨物スペースも大きく、比較的長時間の運航にも適していた機体だった。

座席数をそのままにして、その分利益率の高い上級クラスの座席数を増やす、長距離運航に対応するキャビンレイアウトも可能であり、4~5時間程度の中距離路線では、経済性も非常に優れた機体であった。

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1-1-1-2A B737-900ER ALASKA-N467AS.jpg ↑(2枚)アラスカ航空(旧塗装)の900と900ER。同社は双方を保有する珍しいエアライン。運用上の区別は少ないが、大陸横断路線ではERが充当されることが多い。900型ではウイングレットをレトロフィットさせたが、ERでは「スプリット・シミタール・ウイングレット」が追加装備されている(ウィキペディア英語版より)

それでいて機体そのものはB757よりもやや小さく、機体価格・運航コストも安い。

総合的なパフォーマンスと言う点では、B757よりやや劣ったが、充分対抗できる性能であった。

こうした状況を踏まえて新たに開発されたのが「900」で、ローンチカスタマーはアラスカ航空だ。

同社はMD社のMD-80シリーズのユーザーだったが、80年代後半にはB737「クラシック」の導入も開始し、「737NG」の導入も当然だった。

700・800型を発注していたが、より座席数の多いモデルを希望しており、900型のローンチに至った。

180席級の800型と220席級のB757の間を埋めるモデルとして、最大で200席設けられる900型には他のエアラインの興味を引いたが、実際には躓きもあった。

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1-1-1-2A B737-900 KLM_.jpg ↑(2枚)KLMオランダ航空のB737-900。ヨーロッパメジャーでは唯一900型を運用する。保有機は全て初期生産型の900で、ウイングレットを追加、天測窓を埋めるなどの改修を行っている。900・900ERの外観上の大きな違いはなく、改修機に至っては殆ど区別が付かない。唯一の識別点は胴体後部の非常口。900型では800型などと同じ従来型の配置を持つ(ウィキペディア英語版より)

900型の概要は、700型よりも胴体が約8.5メートルも延長され、全長は42.1メートルにもなった。

ところが座席数が最大で189席と、800型と殆ど変らない事が問題であった。

これは設置された「非常口」の問題で、900型には800型までと同じ数の非常口しか設定されていなかったためだ。

と言うよりも数は最初期の「オリジナル」200型以来変更がなく、前後の乗降口に加え中央部・主翼の上にある小さい専用非常口は2個と言うレイアウトだ。

1-1-1-2A B737-900ER Ukraine_International_Airlines,_UR-PSI.jpg ↑ウクライナ国際航空の900ER。同社は800型も保有しているが、座席数の多い900ERは高需要路線に投入されて「いた」。22年2月に始まったロシア軍の侵攻で、同社はもちろん運航休止状態にある。ロシア軍は緒戦で空港施設を集中的に攻撃したため、同機の消息は不明。1日も早く復活することを願わずにはいられない(ウィキペディア英語版より)

国際的な規定で、旅客機は緊急時に機内の全員が「90秒以内」に脱出できなければならない事になっており、非常口の数と大きさがおのずと決まっているのだ。

大型化した分、座席数を増やせる構造にはなったが、非常口が同じ為900型の座席数は実際には増やせないと言う、意味のないモデルになってしまったのである。

ローンチ以前から、この問題は浮上していたが、新たに非常口を設けると機体強度などの関係から設計の一部を変更しなければならず、機体重量も増加することで製造コスト・機体価格が上昇すると言う理由で、ボーイングはそのままとしたのである。

最も最初に発注したアラスカ航空や、KLMオランダ航空、大韓航空などは、総座席数よりもキャビン面積が広くなった事で、上限が180席前後だとしても上級クラスを増やす、エコノミークラスの座席を拡大するなど「快適性」を盛り込む事が出来るとして900型を発注、運用した。

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1-1-1-2A B737-900ER DELTA.jpg ↑(3枚)現在B737-900を最も多く保有するのはデルタ航空で、その数は159機。全て900ERで、大半の機体が「スプリット・シミタール・ウイングレット」に改修している。キャビンは2クラス180席(ウィキペディア英語版より)

しかしこうしたエアラインは少数派であって、多くのエアラインは大型化したのに座席数が増えない900型を期待はずれと見てしまった。

その証拠に900型の受注は全くと言って良いほど伸びなかったが、00年代になって変化の兆しが現れた。

ちょうどLCCが世界的に流行し出した時期で、インドネシアの大手LCC[ライオン・エア」がボーイングに900型の改修案を打診したのである。

同社は900型の本来の持ち味である200席級とし、規制をクリアするため非常口の増設を希望した。

もし改修案を通すなら・・と言う条件付きで、ライオン・エアは200機と言う空前の発注を出す事になった。

加えて機体重量が増加することから、900ではオプション扱いだった胴体内の増加燃料タンクを標準装備に変更。

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1-1-1-2A B737-900ER_Lion_Air_.jpg ↑(2枚)B737-900ERのローンチカスタマー、インドネシアのLCC、ライオン・エア。同社の900ERは非常口を増設した「ハイデンシティ」タイプで、主翼後部の胴体に乗降口と同じ大きさもドアが増設されている。これによって最大で215席まで設けることが出来る(ウィキペディア英語版より)

形式も新たに「900ER」に変えて、以後900型の生産は全て「900ER」とすることに決められた。

900型の航続距離は約5,000キロだったが、「ER」では約5,500キロと、800型とほぼ同じ距離まで延長された。

一方200席もいらないと言うエアラインには、900型と同じ非常口配置タイプが逆にオプションとして用意された。

この改修により、「900型」の生産は僅か52機で停止された。

900ERでは最大で215席まで設ける事が出来るが、2クラス制だと180~190席が標準である。

これは800型よりも多く、航続距離もやや短い程度で中距離路線には十分対応できるスペックと言える。

エンジンはシリーズ共通のCFM-56-7B系列だが、900ERだけはやや出力を上げたタイプが搭載されている。

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1-1-1-2A B737-900ER-El_Al_Israel_Airlines(4X-EHB).jpg ↑(2枚)エルアル・イスラエル航空のB737-900ER。同社では800型が主力だが、900ERも幹線用として現役。胴体後部の非常口は小型のタイプで、ハイデンシティ仕様でない事が分かる。尚この非常口も、初期の「900」にはない(ウィキペディア英語版より)

同機の初号機は、07年ライオン・エアに引き渡され、機体はボーイングのハウスカラーを纏っていた。

ボーイングとしても、同機への大きな機体を寄せての宣伝だったことが分かる。

何しろ半世紀以上に渡るB737の歴史で、ついに200席級と言う「大台」に載った初めての機体である。

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1-1-1-2A B737-900ER MALINDO AIR 9M-LNG.jpg ↑(2枚)ライオン・エアの系列LCC、バティック・エアとシンガポールに拠点を置くマリンド・エアの900ER。200席超の737は900ERが唯一でLCCでも流行するかと思われたが、同社以外発注するLCCは殆どなかった。このほかタイに拠点を置く「タイ・ライオン・エア」も同機を保有し日本線でも投入されたが、これらの機体は全て「本社」からのリース機として運用されている。その為機材の往来も多い(ウィキペディア英語版より)

120席前後の「短距離機」だったはずが、200席で大陸横断が可能となるなど、デビュー当時は全く考えられない進化を遂げたのである。

そう言う意味で、900・900ERは革命的ですらあった。

だがボーイングの意気込みとは裏腹に、以降の受注はパッとしなかった。

ボーイングは900ERを登場させたことで、旧式化していたB757の受注・生産を打ち切り、同機を後継機種にしようとしていた。

しかしアメリカのメジャーを含む、世界中のB757ユーザーはその思惑に乗らなかったのである。

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1-1-1-2A B737-924(ER)_United_Airlines N38451.jpg ↑(5枚)コンチネンタル航空とユナイテッド航空の900ER(2枚目はレトロ塗装機)。ユナイテッド航空はデルタ航空に次いで900型を保有するエアラインで、現在148機を運用している。自社発注機と統合した元コンチネンタル航空機が存在する。デルタ航空とユナイテッド航空だけで、総生産機数の6割以上を占めている(ウィキペディア英語版より)

確かにB757はメカニズムと言う点では旧式化していたが、パフォーマンスはなおも他に類を見ないものを保持していた。

胴体径こそ737と変わらないナローボディ機だが、能力と言う点では姉妹機であるワイドボディ機のB767と同格を有していた。

装備するPW2000、RB211エンジンは元々ワイドボディ機用に開発された強力なエンジンであり、改良を重ねて来たB757は大西洋横断運航も日常化するほど長距離機としての才能も持ち合わせており、ユーザーの多くはB757の生産停止に強い拒否反応を示していたのである。

ボーイングが推す900ERでは、座席数が757よりも少なく、航続距離も短く、そして貨物室の容積が小さい事が代替えにはならないと言う見方が強かったのであった。

長時間運航となれば乗客の荷物も必然的に多くなる他、航空貨物の需要も増える。

だが737の胴体は、50年代のB707から継承した意匠であり、現代の需要を予測したものとは言い難い部分を持っている。

もちろんボーイングも充分承知の上で、開発コスト削減を優先させた結果なのだが、搭載能力ではB757にはどうしても及ばなかった。

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1-1-1-2A B737-900ER-Oman_Air,_A4O-BY.jpg ↑(2枚)タジキスタン、サモン・エアとオマーン・エアの900ER。同機の最も新しいユーザーだが、機体は中古機(ウィキペディア英語版より)

更にライバルであるエアバスのA321を強く意識してでの900型ではあったが、同シリーズは737を「反面教師」にした部分が多く見受けられ、特に胴体意匠は対照的であった。

A320シリーズは、737が「逆卵型」の断面をもつのに対し、ほぼ真円形にして床下スペースを大きく取っている。

これによって貨物室にはコンテナの積載が可能であり、旅客便として運航しつつ「簡易貨物便」としての機能も持たせてあった。

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1-1-1-2A B737-900ER-Turkish_Airlines,_TC-JYM.jpg ↑(2枚)ターキッシュ・エアラインズの900ER。側面から見ると、改めて胴体の長さが分かる(ウィキペディア英語版より)

特に胴体の長いA321は容積が大きく、オプションとして貨物室の一部を燃料タンクに出来るようになっており、約7,000キロの航続距離を持っていた。

結果757を求めるエアラインは、中古機を探すか、A321に流れる傾向に走り、900ERを発注するエアラインは増えなかった。

600型はSAS(スカンジナビア航空)がローンチカスタマーとなって開発され、98年に同社で初就航した。

737NGでは最小モデルで、全長は31.2メートル。

「オリジナル」の200型、「クラシック」の500型に相当し、座席数は2クラスで110席前後、最大で132席。

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1-1-1-2A B737-600 LN-RPB.jpg ↑(2枚)737NG最小モデル、B737-600。SASは同機のローンチカスタマーで98年から就航した。現在は退役し、800型が主力(ウィキペディア英語版より)

200・500型の後継機種として開発され、機体規模は従来の短距離機としては標準サイズである。

だが経済性が向上したことで、機体が小さく軽量な分航続距離も長く、最大で約6,300キロにも及ぶ。

600型がデビューした時点では、歴代737では最大であった。

最もそれを活かしての運航をするエアラインはなく、SASも域内線用の短距離機として発注した。

しかしこの時点で、100席前後の新しいリージョナル機、ボンバルディアのCRJシリーズやエンブラエルのEシリーズが登場しており、運区コストと言う点で600型は大きなアドバンテージを背負っていた。

リージョナル機は従来70~90席が標準だったが、性能が向上したことや運航コストの削減が当たり前になったことで、それまでの形態に変化が現れていた。

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1-1-1-2A B737-6CT_WestJet_C-GWCT,.jpg ↑(2枚)最近引退したばかりの、カナダ・ウエストジェットのB737-600。サイズとしては200・500型とほぼ同じ。胴体上部にはWiFiアンテナのバルジが追加されている(ウィキペディア英語版より)

リージョナル機は名前の通り、主に大都市から小都市への接続便やローカル線向けであったが、ジェット化が進んで運航距離が延びるようになっていた。

それに伴い座席数も90~110席級が開発され、需要の低い路線でも収益が出せるようになった。

そうなるとこれらの機体よりも大きく重い737よりも、リージョナル機で運航した方が効率も良い訳で、発売当初から半端な機体になってしまった。

600型自体のパフォーマンスは優れており、軽量小型の機体に大出力のエンジンを持つので離着陸性能に優れ経済性も高かった。

1-1-1-2A B737-6Q8_,MALEV HA-LON.jpg ↑マレーヴ・ハンガリー航空の600型(ウィキペディア英語版より)

しかし110席と言う中途半端な座席数が、新しいリージョナル機と比べられる事になり、受注は全く伸びなかった。

受注の多くはローンチ直後のもので、それらの69機が生産されただけであった。

それでも生産ラインが共通の為、販売カタログには載せられていたが00年代以降1機も生産されていない。

1-1-1-2A B737-600 -Janet_EG&G.jpg ↑エアラインではないものの、プライベートチャーターなどを運航するアメリカ、ジャネットEG&G社のB737-600。ミリタリーファンの人ならご存知化と思うが、同社はラスベガスのマッカラン国際空港をベースとしていて、米軍関係の人員輸送を受託している。一見民間エアラインの様な塗装を持つB737で、同空港では頻繁に行き来する姿が見られるが、行き先は不明の事が多い。何故ならば、一般の民間機が飛行中自機の位置を知らせる発信装置「トランスポンダ」を切って飛行するからだ。ラスベガスを離陸すると、民間航路とは全く別方向のルートを飛び、軍の管理空域を飛ぶためである。公然の秘密となっているが、砂漠のど真ん中に位置する極秘エリア「エリア51」を含む、トーノッパ近郊の空軍基地とラスベガスを往復して入域を特別許可された軍関係者、政府関係者、技術者を輸送しているとされている。(ウィキペディア英語版より)

737NGシリーズでは、「BBJ」と言ったプライベート・VIP仕様や軍用型など派生型が作られているが、600型では生産されていない。

また700型以降は、生産途中から翼端のウイングレット追加やコクピット上方の天測窓の廃止など改修が加えられたが、600型では一切ない。

ウイングレットを後から装着した機体もない。

1-1-1-2A B737-683,_Flyglobespan.jpg ↑イギリス、エディンバラをベースとして設立されたLCC、フライ・グローバルスパンのB737-600。中古の600型を購入しての新興エアラインは珍しかったが短期間で運航を停止した(ウィキペディア英語版より)

10年代には実質上「カタログ落ち」状態になり、737全体では最も数の少ないモデルとなった(100型が更に少ないが、これは先行量産モデル)。

現在737は「MAX」シリーズに移行中だが、600型だけ「MAX」化されなかったのも不遇と言える。

ライバルのA320シリーズは、「極小」モデルA318が600型と同じような理由で売れなかったので、600型だけが「ハズレ玉」だった訳ではない。

登場時に需要がなかっただけの「不運」だった訳で、600型自体は上記のようにNGシリーズの中では優れたパフォーマンスを持つモデルであった。

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1-1-1-2A B737-600-Air_Algerie 7T-VJU.JPG ↑(2枚)現時点で「最大数」の600型を保有する、アルジェリアのエール・アルジェリー。5機が現役にあり、フランスなど近距離国際線にも運用されている(ウィキペディア英語版より)

一方数としては比較的売れた900型ではあるが、900・900ER合わせて557機は、ファミリーである800型の5,000機と比べればあまりに少ない。

700型でさえ約1,200機だったから、商品としてはやはり「ハズレ玉」だったと言えるかもしれない。

先に書いたように、ボーイングは人気があったにもかかわらず生産を中止したB757の代わりになるとした900型であるが、実際そのような運用をしたエアラインは皆無である。

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1-1-1-2A B737-600_Tunisair_(TAR)_TS-IOP.jpg ↑(2枚)4機の600型を保有するチュニジアのチュニス・エア(チュニゼール)(ウィキペディア英語版より)

まとまった数を運用するアメリカのメジャーは、2クラス運航が主流なので座席数が多いと言う理由で900型を使っている。

現在900型は約400機が現役にあるが、最大のユーザーはデルタ航空で159機。次いでユナイテッド航空が148機、アラスカ航空が91機と、全体の8割以上を占めている。

いずれも後継機種の導入が進んでいるが、900型自体の機齢は若く、今のところ退役計画はない。

1-1-1-2A B737-MAX9 Alaska_Airlines(N913AK).jpg

1-1-1-2B B737-MAX9 United_Airlines.jpg ↑(2枚)900・900ERの後継機種「MAX9」。全長はほぼ同じだが、キャビンレイアウトの変更で僅かながら座席数が増加した。現時点で「MAX」の受注・生産は圧倒的に「MAX8」が多い(ウィキペディア英語版より)

3社ともMAXやA320もしくは321neoの導入を開始しているが、当分現役に留まると見られる。

一方600型を現役で運用するエアラインは、北アフリカ・チュニジアのチュニス・エアと、アルジェリアのエール・アルジェリーだけ。

前者は4機、後者は5機保有しているが、世界で僅か9機だけの現役B737-600と言う事になり「絶滅危惧種」でもある。

ファンの中でも「B737-600とか900なんてあったっけ?」などと言われそうで、世界最大の生産数を誇るB737にあって、こんな「レア種」も実は存在しているのである。

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