月命日/飛行機ネタ タイトルホルダーなのに嫌われた?B777-200LRとA340-500(1月28日 晴れのち曇り 6℃)

日中までは綺麗な青空が広がって、気温もいくらか上がったのに、午後からは急変。

突然曇ったかと思うと、時々小雪がパァっと飛んで来る。

気温も急降下し、数日続いた穏やかさが崩れた感じだ。

あっという間に1月も終わりに近づいているが、冬は暫く続きそう。

長期予報では2月下旬以降は寒さが緩み、春の訪れが早い化も・・と言うが、油断は出来ない。

仙台は寒暖を繰り返しつつも、4月上旬くらいまでは雪が降ることは珍しくないからだ。

また「南岸低気圧」による大雪のシーズンはまさにこれからで、寒さと雪に対する備えは当分必要だ。

家から見える杉林は、まだ黄色い「花粉」は目立たない。

昨年の夏はあまり暑くなかったので、今年の花粉の量は少なめと言われているようだが、今後どうなるだろう。

相変わらずコロナ禍の再拡大が止まらず、県内でも連日記録を更新している。

ところが県知事は「まん防措置」の要請に、今日も記者会見で慎重論を強調した。

一方で昨日仙台市長は「考えるべき時期に来ている」と、県知事に伝えた事を明らかにしており、県と政令市との間に温度差が見られる。

県民・市民の意見は二分しているように見えるが、ネットなどを見る限り県知事の意見を支持する向きが多いようだ。

知事はクラスターの発生の殆どが飲食店以外である事、重症者や入院患者が前回のピークよりも遥かに少ない事を理由に挙げている。

私も知事の見解には概ね賛成で、感染者の多くが30代以下、そして10代以下の子供が占めている事の方が重要だと思う。

知事もそれらを鑑みて、週明けまでに学校などの施設に対しての措置を考えるとしている。

最もただ休校しても意味はなく、子供達の学習指導や家での生活、共働き世帯をどうするのか、なかなか難しい事ではあるだろう。

でもなんでも知事や市長の「責任」を問うのはお門違いで、個人の基本的な予防意識がなければどうしようもない。

事実街では家族連れで外出している人も多いし、塾では多くの児童・生徒が行き来している。

学生も相変わらず「集団」で動いているし、まずは自分たちの意識を保つ事が優先ではないか。

行政のせいにはいつでも誰でも言える訳で、まずは市民が自ら律する事が最も大切だと思う。

何も引きこもると言うのではなく、できるだけ普通の生活を続けながらも予防対策を続けると言う事だ。

だいたい「まん防」で飲食店を時短規制しても、そうでない時間帯はどうだろうか。

飲酒でなくとも、カフェやフードコートなど日中は買い物客やランチで満席であることも多い。

これは前回の緊急事態宣言中でも見られたし、通勤・通学時で混雑する電車やバス利用は避けられない。

もはや型にはめた対策は役に立たず、状況に応じたやり方を模索すべきだ。




28日、母4年10カ月目の「月命日」。

この頃母の夢を良く見る。

実際にはよく覚えていないのだけれど、目を覚ました時母が出て来たな、と思う。

おぼろげながら覚えているのは、どうってことのない内容だ。

一緒に買い物しているとか、食事をしているとか、時には私に小言を言っているとか。

多分母の記憶がそうさせているのだろうが、同時にいつも傍に来ているのではないかとも思う。

時々何の前触れもなく、家の中でフッと「匂い」を感じることがある。

ほんの一瞬で、意識した後鼻で嗅ぎ分けようとしても既にその匂いを感じる事は出来ない。

その匂いは、せっけんの様な香水の様な、時にはお線香の様にも感じる。

スピチュアルニストの人に言わせると、それは傍にいる証拠だと言う。

こちらから姿は見えないけれど、その人の匂いを振りまくことで「ここにいるよ」と伝えているのだと言う。

気のせいと言われればおしまいだが、私はなるほどなと思っている。

あと2カ月で、母が逝ってから5年目を迎える。

私は未だ母が逝った事を、現実として受け止められないでいる。

何よりもそれだけの時間が経ったとは思えない程、この年月は記憶に薄い。

まるでタイムマシンに乗ったかのように、「空白」の時間なのだ。




元気ですか?

今日は良い一日でしたか?

体調はどうですか?

風邪など引いてませんか?

穏やかな冬の日、ちょっと弱々しい日差しもどこか優しく見えます。

寒いけれど、どこかゆっくりと散歩したくなります。

君は公園を歩くのが好きでしたが、今も歩いていますか?

コロナ禍でどこかへ行くのは気が引けてしまいますが、綺麗な公園ならば問題ないでしょう。

でも職場などで、君の廻りがコロナ禍になっていないか心配しています。

明日からは、また寒さが戻って来そうです。

君の冬姿をふと思い出します。

あれから10年以上も経つとは御見えない程、冬の日差しがはっきりと思い起こしてくれます。

空気も乾燥しているので、体調管理にはくれぐれも気をつけて下さい。

明日もどうかお元気で。

君に笑顔がありますように。

お休みなさい。


この雪の 消遺る時に いざ行かな 山橘の 実の照るも見む(万葉集巻十九 4226 大伴宿禰家持)



飛行機ネタ。

「大きい事は良い事だ。」子供の頃、こんなCMがあった。

確か車のCMだった気がするが、定かではない。

要するに同じ機能・性能を持つならば、小さいよりも大きい方が融通性が効くと言うことだろうか。

最近の自動車事情はよく知らないが、エコカーが主流となった以上に車のサイズは拡大した。

最も売れ筋で、日本独特のカテゴリーである「軽自動車」は、今やどこが軽自動車なのか分からない程大きく豪華になった。

だが法律で決められている以上、軽自動車のエンジンは排気量が660ccであり、これは40年間変わっていない。

更に車体も大きさも決められていて、これも不変である。

前後左右の大きさが限界ある以上、軽自動車のデメリットと考えられてきた「空間」の狭さを克服するために、上限寸法を拡大した。

高さの規制は、長さと幅よりも余裕があったからだ。

故に出来あがった車は、とても600ccとは思えない程大きな車体で「軽自動車」と言うイメージは薄れている。

それが歓迎されているのかも知れないが、当然ながら車体の重量は重くなり燃費は落ちる。

個人的見解だけれど、三畳間の天井だけを高く取ったら「広い部屋」と言えるのだろうか、と思う。

自動車税や保険料が安いと言うメリットがある軽自動車だが、だからと言って大きくすることに何のメリットがあるのだろうと思ってしまう。

旅客機もまた、似たような事情がある。

それは航続距離に限っての事であるが、同じ大きさならば航続距離が大きい方がエアラインにとって融通性がある機体と見える。

逆に同じ航続性能ならば、需要に応じて機材の大きさを変えることも出来る訳だ。

いわゆるマルチパーパス(多目的)的な性能と言う事なのだが、つい最近まではそれが大型機に求められていた。

なぜならば航続距離を伸ばすには、燃料を少しでも多く搭載できる事が必須であり、機体も必然的に大きい方が良かったからだ。

ところが複合材の進化によって、機体の強度を変えずにむしろそれは向上し、大幅な軽量化が実現。

エンジンは出力を上げつつも低燃費、低公害型が開発され、操縦システムも全面デジタル化されたことでより軽量化した。

それは大型機にとってメリットが増えたが、同時にナローボディ機でも恩恵を受けることになり、エアラインはより運航コストの安い「長距離ナローボディ機」に目をつける時代が到来しつつある。

80~90年代、技術の革新によって旅客機は大変化を遂げた。

それは「双発機」の台頭である。

それまでの旅客機は、長距離を飛ぶためには大きな機体が必然であり、需要に関わらず3発機や4発機と言った多発機に限られていた。

しかしB767、B777、A310、A330など双発ワイドボディ機が次々登場し、緊急時の安全性が確立されると、重く大きな多発機はその役目を終えることになった。

国際的な規制も見直され、環境問題もクローズアップされたことで、これまで考えられなかった巨大な双発機が当たり前の時代になったのである。

そして可能性は拡大し、多発機でも限界があった「超長距離」性能が現実のものとなる。

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1-1-1-41 B777-200LR PIA.jpg ↑(2枚)世界最大の航続距離を持つB777-200LR。パキスタン国際航空はローンチカスタマーで、東回り香港~ロンドン間21,600キロのノンストップ飛行記録を樹立した(ウィキペディア英語版より)

超長距離機の明確なラインはないが、一般的に15,000キロ以上の航続距離を持つ機体と見て良い。

これだけの性能を持てば、世界中の主な都市間がほぼノンストップで飛行可能となる。

国際線での乗り換えは、出入国手続きがあったり、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性もあり、乗り継ぎには長い時間を要する事もある。

ノンストップであれば、大幅な「時短」が可能であり、まさに夢の実現と言えたのである。

そうして登場したのが、ボーイングがB777をベースとした「B777-200LR」、エアバスでは「A340-500/600」だった。

B777-200LRは、05年に初飛行した超長距離バージョン。

200型はデビュー当時の標準型の他、航続距離を延伸した「200ER」が90年代末に登場していたが、それを上回る性能を持たせたのが「LR」だ。

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1-1-1-41 B777-200LR_DELTA.jpg ↑(2枚)アメリカでは唯一B777-200LRを導入したデルタ航空。経済が好調なアジア線直行用として運航し、日本線でも投入された事がある。しかしコロナ禍の影響で21年に全機が退役。長距離機はエアバス機に統一した(ウィキペディア英語版より)

B777は机上プランの時点で、エアラインの要求に合わせたバージョンが考えられていた。

「Aマーケット」と呼ばれるのが基本型であり、いわば通常型の200である。

巨大な胴体を活かした輸送力タイプで、座席数は最大で450席。航続距離は最大で約8,000キロ程度とされた。

「Bマーケット」型は、Aタイプに燃料タンクを増設し自重を高めたタイプで、座席数は2クラスもしくは3クラスで300~350席程度。航続距離は約12,000キロと設定され、これが「200ER」となった。

Aタイプは日本航空や全日空、やや遅れて日本エアシステムが最初に導入したもので、日本ではお馴染みのB777である。

ただし機体規模を鑑みた場合、輸送力重視で「中距離バージョン」のAタイプは、需要が限定的で多くのエアラインはBタイプ、すなわち「ER」を望んだため、生産の主力は200ERであった。

90年代には、長時間洋上飛行規制「ETOPS」が大幅に緩和され始めた時代で、多発機よりも経済的な双発機での長距離飛行が可能となっていた為、多くのエアラインが200ERの他、A330などを導入して多発機と交替させていった。

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1-1-1-41 B777-200ER JAL-JA708J.jpg ↑(2枚)基本型の200型と、航続距離延伸型の200ER。日本のエアラインでは唯一200LRの導入がない(ウィキペディア英語版より)

それは更に長距離性能を求められる事になり、しばらく「お蔵入り」していた「Cマーケット」型が「200LR」として開発された。

実際には200ERの次に開発されたのが「300ER」で、B747より胴体が長く航続性能はB747-400とほぼ同格であるモデルがデビューしていたが、座席数をそれほど必要とせず、300ERよりも航続距離の長いモデルが要望されていたのである。

元々Cタイプも計画のうちだったので、大きな改修は必要としないメリットも持っており、パキスタン国際航空とエア・カナダが「200LR」を発注した。

同機は200ERをベースに、胴体中央部にも燃料タンクを増設し、主翼は300ERと同じものに変更した。

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1-1-1-41 B777-200LR -Air_Canada.png ↑(2枚)パキスタン国際航空に続いて200LRを導入したエア・カナダ。現在のオセアニア線など太平洋路線で使われているが、B787へ徐々に変わりつつある(ウィキペディア英語版より)

翼端には整流性を高めるレイクド・ウイングチップが標準装備され、燃費を向上させた。

エンジンは300ERと同じGE製「GE-90-110」シリーズを搭載し、200ERに残されていた選択制は廃止された。

「LR」は「Long Range」の略で、文字通り長距離の意味。

因みに「ER」は「Extended Range」の略で、直訳すれば範囲拡大、つまり航続距離延伸型と言う意味を持つ。

微妙な違いに思えてしまうが、200LRの最大航続距離は約17,500キロ。

数字だけだとピンと来ないが、これは東京とブラジルの首都ブラジリア間の距離にほぼ等しい。

ロンドンまで約9,500キロ、ニューヨークまで約11,500キロと考えれば対比できるだろうか。

1-1-1-41 B777-200LR_Lofting.jpg ↑B777-200LRを上面から見たところ。300ERと同じレイクド・ウイングチップを装備した主翼を持つ(ウィキペディア英語版より)

さすがにブラジル最大の都市サンパウロまでは及ばないものの、少なくとも日本から地球の反対側に当たるブラジルまでは「直行」できる事になる。

おおよそと言う条件がつくが、世界の主な大都市間はほぼカバーできる航続距離と言う事になり、ボーイングでも「ワールドライナー」と言う愛称をつけた。

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1-1-1-41 B777-2FBLR,_Ceiba_Intercontinental_Airlines_(White_Airways).jpg ↑インド洋に浮かぶ仏領レ・ユニオンを拠点とするエール・オストラルと、アフリカ西部赤道ギニア、セーバ・インターナショナルのB777-200LR。アフリカで運用されたB777-200LRはこの2社だけ(ウィキペディア英語版より)

最初に同機を受領したのはローンチユーザーのパキスタン国際航空で、宣伝のためロンドンから香港へのデモ飛行を実施した。

しかもわざわざ大西洋から北極圏、そして太平洋と遠回りして、その距離は実に約22,000キロ。

もちろん乗客や貨物を搭載せずの飛行ではあったが、旅客機としてのノンストップ飛行の記録を樹立して同機の性能のアピールに大いに役立った。

記録は現在も保持しているだけでなく、営業飛行してでの航続距離も15年以上経った現在もタイトルホルダーであり、「最も航続距離の長い旅客機」がB777-200LRとなっている。

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1-1-1-41 B777-200LR_AIR INDIA.jpg ↑(2枚)エア・インディアのB777-200LR(ウィキペディア英語版より)

もう一つの「超長距離機」は、ボーイングのライバルであるエアバスが開発した「A340-500/600」である。

エアバスでは90年代初頭に、同社初の本格的長距離4発機A340を開発していた。

「第一世代」と呼ばれる初期型は、基本型である「300」型の方が先に開発・デビューし、長距離型の「200」型は後から開発された。

300型はB747と同等の航続性能を持ちながら、そこまで大きさを必要としないエアラインの需要に応えた機体として開発された。

また同様の理由で開発された、MD社の3発機「MD-11」は問題が多く、デビュー直後ボーイングと合併騒ぎもあって商業的には失敗しており、ある意味同機に失望した顧客を取り込む目的もあった。

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1-1-1-41 B777-200LR EMIRATES First_Class_Suite.jpg ↑(3枚)エミレイツ航空のB777-200LRとファースト・スィートのキャビン。A380とB777-300ERの影になって目立たない存在だが、導入した機体は全機が現役にある(ウィキペディア英語版より)

航続距離は12,000キロ程度だったが、さらに延長させるため胴体を短縮して自重を軽くした200型を開発した。

燃料搭載量は300型とほぼ同じだったため、200型の航続距離は約14,000キロ近くまで伸びて一時的にタイトルを保持した。

しかし胴体を短縮した事で座席数が減少し、3クラスだと230席程度になってしまう事から思いの外売れない機体になってしまった。

また200・300型は低燃費を実現させるため、エンジンはナローボディ機A320シリーズと同じCFM-56を搭載しており、単純な比較はできないものの、B747と比べるとパワーはかなり控えめであった。

それは巡航速度にも現れており、数値的には僅かであるものの、10時間以上の長距離運航となると到達時間の差が明確になってしまった。

結果的に燃料を多く消費することにもなり、A340の大きな欠点であった。

1-1-1-41 A340-541,_Air_Canada.jpg ↑デビュー当時、世界最長の航続距離を持っていたエア・カナダのA340-500。後にB777-200LRと交替し、活躍期間は短かった(ウィキペディア英語版より)

そこでエアバスは「第二世代」の開発に着手し、01年に600型、02年に500型を完成させた。

「リニューアル」に当たって、エアバスは2つのタイプを計画していた。

一つは200型と同格の航続性能を持ちながらも、300型とほなじ座席数を持つタイプ。

もう一つは300型と同格の航続性能を持って、それ以上の座席数を持つタイプ。

前者が500型、後者が600型となるが、開発は600型から行われ、原形機は600型が01年、500型は02年に初飛行した。

500型は胴体の長さが67.3メートルあり、300型よりも約3.2メートル延長された。

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1-1-1-41 A340-541HGW,_Thai_Airways_International.jpg ↑(2枚)タイ国際航空のA340-500.同社では最も長距離を飛べる機材として、北米直行便を運航した。最近まで現役にあったが、同社の経営破綻で退役した。日本へも機材変更などで不定期に飛来した(ウィキペディア英語版より)

エンジンは小ぶりなCFM-56から、スタンダードになりつつある大口径ターボファンエンジンのロールス・ロイス製「トレント500」に換装し、低燃費・低公害化を促進させた。

500・600型ではどちらも第一世代から大型化することになったので、機体各部は若干の修正が加えられた。

主翼形状は継承したが、幅を延長したことや大型エンジンを搭載することで前縁部に桁を入れて強化策を施したほか、垂直尾翼の高さを延長。

水平尾翼は設計しなおされ、200・300よりも大型化された。

胴体中央部に燃料タンクを増設し、座席数は3クラスで標準300席、最大で375席を確保できる。

1-1-1-41 A340-541,_Emirates_TORENT500.jpg ↑A340-500/600に搭載されたロールス・ロイス「トレント500」エンジン(ウィキペディア英語版より)

航続距離は実に最大で16,700キロに及び、当時の記録を更新した。

先んじた600型は全長が74,7メートルに達し、30年以上「最大の旅客機」のタイトルを保持していたB747からあっさりと奪取してしまう。

座席数も3クラス標準で380席、最大で440席となり、B747に迫る大型機となった。

1-1-1-41 A340-542,_Arik_Air_(Hi_Fly).jpg ↑ナイジェリア、アリック・エアのA340-500。この機体はエア・アトランタ・アイスランディック所有の機体で、運航乗務員も同社の社員で行うウェットリースで運航していた(ウィキペディア英語版より)

エンジンは500型と同じく「トレント500」で、航続距離は500型には及ばないがそれでも最大で14,600キロとB747-400を凌いでいた。

操縦システムはA320以来、エアバス機共通のオールデジタル式フライ・バイ・ワイヤ式で、コクピットのレイアウトも共通化を通している。

200・300型とはライセンスは全く共通で、システムの違いを学習するだけで操縦できる。

A330や320シリーズからも、短期間の移行訓練でライセンスを取得できるシステムを継承した。

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1-1-1-41 A340-541,_Emirates_CABIN.jpg ↑(3枚)エミレイツ航空のA340-500とエコノミークラスのキャビン8ウィキペディア英語版より)

ただ機体形状が変わったことで、操縦システムのソフトウェアの不具合など初期故障が頻発したが、一定の予測がつけられていてすぐに改善されている。

600型は、日本でも大きな話題となったイギリスのヴァージン・アトランティック航空が最初に就航させたが、500型はUAEドバイのエミレイツ航空が初就航させている。

同機はエア・カナダ、シンガポール航空なども発注し、これまでにない超長距離路線の運航が可能となった。

特に有名なのはシンガポール航空の500型で、それまで経由便を余儀なくされていたシンガポール~ニューヨーク線のノンストップ運航を開始した。

距離は約15,000キロ、同社のA340-500は実に約18時間もかけて運航した、ある意味夢の直行便だった。

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1-1-1-41 A350-500 Singapore_Airlines(9V-SGD).jpg ↑(2枚)シンガポール~ニューヨーク間をノンストップで運航した、シンガポール航空のA340-500。19時間もの長時間フライトをこなした(ウィキペディア英語版より)

同機はこの路線に特化させた仕様で、例を見ない長時間飛行に備えて特別な設備がついていた。

乗務員も交替する必要があるので、パイロット・客室乗務員とも2組以上が乗り込み、それだけでも30人近くが必要だった。

また乗客の万が一に備えた医療設備や道具、なんと「霊安室」まで備わっていた。

勤務する乗務員も、特別に訓練を受けた者が担当した。

しかし例えノンストップで時短できても、18時間と言う長時間を狭い機内で過ごすのは苦痛を伴うと言う意見が増え、思いのほか利用率は伸びなかった。

むしろ従来通り、乗り換え・経由便を選ぶ乗客が多く、上記の設備の為運航コストも高くつく事になり、短期間で運休に追い込まれてしまった。

1-1-1-41 A340-500-TAM_PT-MSN.jpg ↑南米で唯一A340-500を導入した、ブラジルのTAM。LATAMグループに加入後退役し、A350に交替した(ウィキペディア英語版より)

同機を導入したエア・カナダなども、ヨハネスブルグ線など経由便でしか運航できなかった路線に投入したが、やはり利用率は芳しくなかった。

結果ノンストップ便は、頑張っても15時間以内であり、距離にすれば12,000キロ前後が限界だと分かってきた。

機体が耐えられても、中身の人間がもたないのだ。

それだけではない。長時間飛行に合わせて大量の食料を搭載する必要があり、トイレなどの水も通常便より多く搭載する必要があった。

結果新型A340に興味を抱いたエアラインの多くは、600型の方に流れて500型の発注・生産は僅か34機であった。

しかも5機はプライベート機での発注で、エアラインが導入したのは実質29機だった。

1-1-1-41 A340-500_Kingfisher_(KFR)_F-WWTTS-KRT.jpg ↑インドの新興エアライン、キングフィッシャー航空は長距離線用としてA340-500を発注したが、納入直前に経営破綻して受領しなかった。画像は引き渡し直前の機体で、同社で使われた事は一度もなかった(ウィキペディア英語版より)

A340第二世代を見て開発されたB777LRは、双発機でありながら同等以上の性能を持つことで大いに期待が持たれたが、生産は61機とB777シリーズでは少ない方だった。

性能的には1ランク下の200ER、300ERでも市場の要求を満たすに充分だった訳で、「世界中どこへでもノンストップ」は理想と現実のギャップに晒されてしまった格好であった。

「最も胴体の長い旅客機」となったA340-600も、長距離性能をウリにしていたが、座席数と言う点ではB777-300ERと被っており経済性と言う点で明らかなビハインドであった。

500型よりは受注は多かったものの、その生産数は97機で2機がプライベート機だったから、商業飛行に就いたのは95機だけだった。

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1-1-1-41 A340-600 Lufthansa,_D-AIHI.jpg ↑(2枚)カタール航空とルフトハンザのA340-600。ルフトハンザ機は退役が近いが、22年夏スケジュールから日本線でも復活が予定されている(ウィキペディア英語版より)

最もシンガポール航空は、近年「特注」のA350-900ULRを導入し、10数年ぶりにニューヨーク線直行便を復活させたが、こちらは座席の狭いエコノミークラスは廃止し、居住性を確保した上級クラスのみの設定である。

だがコロナ禍の計り知れない影響で、今後超長距離機の需要は減少すると言う見方も出て来た。

事実B777LRよりも小型で運航コストの安いB787でさえ、コロナ禍で受注が高止まりしており、世界のエアラインは今後超長距離性能は求めなくなると思われる。

A340-500は中央アジア、カフカス諸国アゼルバイジャンのアゼルバイジャン航空が2機保有し、現時点では唯一旅客機として現役にある。

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1-1-1-41 A340-500_Azerbaijan_Airlines 4K-AZ86.jpg ↑筆者が最も美しいと思う塗装を纏うアゼルバイジャン航空のA340-500。世界で唯一旅客機として現役にある500型。同社は600型も1機保有していたが、こちらは政府専用機として保管状態にある(ウィキペディア英語版より)

それ以外では政府専用機、プライベート機として現役にある機体が10機前後あると思われる。

一時的とはいえ「最長航続距離」のタイトルホルダーが、デビュー後僅か20年で絶滅種になってしまったのである。

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1-1-1-41 A340-541_A7-HHH_QATAR AMILI FLIGHT(new_livery).jpg ↑(3枚)アメリカのチャーターエアライン、ラスベガス・サンズ、タイ空軍、カタール王室専用機のA340-500。いずれも現役(ウィキペディア英語版より)

B777LRは世界で約30機前後が現役にあると思われるが、コロナ禍で殆どの長距離り線は運休中であり、地上待機になっていたり、近中距離路線に投入されることが多く、その性能を発揮できる機会はどんどん失われている。

コロナ禍を除いて、現在も長距離路線は数十路線存在しているが、このうち同機で運航されるのはごくわずかだ。

機材もB777-300ER、B787、A350、A380が主流である。

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1-1-1-41 A340-541,_Etihad_Airways.jpg ↑(3枚)エティハド航空のA340-500とB777-200LR、A340のファーストクラス現在は両機とも退役している(ウィキペディア英語版より)

ただB777LRは機齢が比較的若いので、超長距離線以外で使う手もあるが、経済性と言う点ではB787やA350の方が上と見られているようだ。

A340は既に双発機の時代を迎えているにも関わらず、4発機にこだわってしまった部分が大きいが、B777LRの場合は「行き過ぎ」感があったのかも知れない。

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1-1-1-41 B777-200LR TURKMENISTAN EZ-A778.jpg ↑(2枚)トルクメニスタン航空のB777-200LRは、同社最大・最長航続距離の旅客機。現在2機保有しているが、1機は18年に受領したばかりで、世界で最も新しい200LRだ(ウィキペディア英語版より)

現在運航される長距離路線の多くは12,000~15,000キロで、最も長いのはエア・タヒチ・ヌイとエール・フランスが運航するパリ~パペーテ線の15,715キロ。

次いでシンガポール航空のA350-900ULRで運航される、シンガポール~ニューヨーク・ニューアーク線の15,344キロ。

B777LRでは、カタール航空のドーハ~オークランド線の14,535キロが最長となっている。

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1-1-1-41 B777-200LR Ethiopian_Airlines_ET-ANN.png ↑(2枚)カタール航空とエチオピア航空のB777-200LR(ウィキペディア英語版より)

経由便ではエア・カナダのトロント~バンクーバー~シドニー線、エミレイツ航空のドバイ~サンパウロ~サンティアゴ線、エア・インディアのデリー~ロサンゼルス線などで同機が使われている。

B777シリーズで最も新しいバリエーションに、貨物機のB777Fがあるが、これはLRをベースとしているほか、デルタ航空から退役した機体を貨物機に改造する事も決定していて、機数は少ないながら今後も活躍は続く。

1-1-1-41 B777F FEDEX N886FD.jpg ↑B777-200LRをベースに開発されたB777F(ウィキペディア英語版より)

ある意味B777-200LRとA340-500は、超長距離機のあり方を模索した過渡期の機体であったと言えよう。

だがそれは経済や政治の事情に左右されやすい部分があり、決して多目的性を有すると言う訳ではなかった。

それならば特化させるよりも、B787やA330、A350のように運用に柔軟性を持たせても利益を出せる機体がベストだと言う結論が導かれたと言える。

しかしデビュー時はタイトルホルダーとしてもてはやされた両機だったのに、実際使うエアラインからはあまり好かれなかったと言えるのが可哀そうに思える。


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