飛行機ネタ ちょっと地味だけど魅力もあるA319(1月17日 晴れ時々曇り 7℃)

※2日分の日記を掲載します。

◎1月15日 晴れのち曇り 7℃

午後からは曇ってしまったが、寒さが少し和らいだ。

数日続いた寒気が「一旦」抜けて、ちょっとホッと出来そうな週末だ。

気付けば15日、新年が明けて2週間も過ぎた。

昨日仙台市内では小正月を祝う伝統行事、「どんと祭」が各所の神社で開催された。

日中から開催を告げる花火の音が、何度も聴こえた。

どこの神社のものかはわからなかったが、最も有名な大崎八幡宮では名物「裸参り」も行われた。

また今日明日は大学の「共通試験」で、毎年寒さと雪が降りやすい事で知られるが、今日は比較的安心なコンディションだっただろう。

同時にコロナ禍の再拡大が止まらず、県内では秋以来新規の感染者が100人を超えた。

正確な発表はないものの、半数が「クラスター」の感染者、7割近くが若者であると言う。

全国でもこれまで以上の数が続いているが、以前と違って重症者・死亡者の数は段違いに少ないと言う特徴も見られると言う。

秋から年末は終息したのではないか、と思うほど感染者数が激減したのに、2022年が明けた途端この状態だ。

いくら「オミクロン株」とやらが感染力が強いとは言え、こんなに極端なものだろうかと思う。

クリスマスから正月にかけて、多くの人の移動があったからだと思われているようだが、あくまで素人的感想ではあるけれど、10~12月も結構多くの感染者がいたのではないかと思う。

現在ワクチンを2回接種した人は約8割に達しており、仮に感染しても無症状・無自覚の人が大半だったのではないか。

年末を控え、旅行や帰省する人が自主的にPCR検査を受けて、初めて感染が判明。同時に家族や友人、同僚が「濃厚接触者」になる。

そしてその人たちも検査したら、案の定感染していた・・と言う事ではないだろうか。

どう見ても突然数が跳ね上がるのは不自然だし、感染者の殆どは無症状もしくはごく軽い「風邪」の様な症状で、それもほんの数日以内に回復していると言う。

決めてかかる訳にはいかないが、これまでと同等の予防対策、意識を保持することが重要だと思う。

行政による「まん防」や「緊急事態宣言」は、一定の効果は期待出来るかも知れないが、解除すれば同じ事の繰り返し。

国も国民も、もう少し事態を冷静に見極める事が大切だと思う。



◎1月17日

先週の厳しい寒さから「一旦」解放されて、週末・週明けは穏やかな冬の一日だった。

だがせっかく穏やかだった週末は、何とも気ぜわしかった。

一つは土曜深夜の「津波」で、人的な被害はなかったものの、停留中の漁船が転覆・沈没したり、ワカメや牡蠣の養殖棚が破損するなどの被害が全国で発生した。

津波の原因は、日本の遥か南、8,000キロも離れた南太平洋の島国トンガ王国で発生した火山噴火だった。

そのニュースは聞いていたけれど、半日近くも過ぎてから日本まで津波が押し寄せた。

気象庁は当初「多少の潮位の変化はあるが、被害の心配はない」と発表したが、夜になって各地の潮位が上がり続け、0時過ぎに津波警報・注意報を発令した。

その後の記者会見では「津波は地震によって発生するもので、今回の潮位変化が津波かどうかわからない」と、警報・注意報の発令が遅れた事を釈明した。

専門家によると、今回の噴火は稀に見る大規模な爆発を伴い、それが大気を揺るがす「空振」と言うものを起こし、それが海面を叩きつけた事で津波が発生したのではないか、と推測している。

その証拠に数百キロも離れた近隣諸国でも、雷のような爆音が聴こえたと言うし、驚くことに北極に近いアラスカでもそれらしき音が確認されたと言う。

火山は海底火山で、海底部が激しく隆起してでの津波ではなく、その空振が原因だった可能性があるのだそう。

最も殆ど事例がなく、正確なことはまだ分かっていない。

なるほど、自然はいつの時代でも人類の英知を超える事をやってのけるものだと思う反面、気象庁の判断が果たして正しかったのか疑問が残った。

ネット上では地震による津波ではなく、「分からない現象」であることを支持する意見も見られたようだが、それと災害への対応は別問題だろう。

事実明らかな潮位の高まりが発生して、数時間も後に警報を出しているのだ。

普段から「警報・注意報が出たら、とにかく非難を」と言っている割に、学問的な事で躊躇することが正しいのだろうか。

記者会見も、当初の予定より大幅に遅れ、記者の質問には終始「津波ではなく、潮位変化」を繰り返し、しどろもどろだった。

大きな被害は出なかったと言うには結果論で、異常事態には違いなく「逃げろ」と指示する責務はどこへ行ったのだろうか。

人的被害はなくとも、被害そのものは出ており、それに対しての釈明こそ聞きたいものである。

潮位だけでなく、「津波」が川を遡上する現象も各地で起きており、東日本大震災で大きな被害を出した多賀城市の砂押川でも津波が遡上したと言う。

奇しくも今日1月17日は「阪神・淡路大震災」が発生した日で、27年めを迎えた。

コロナ禍に気を取られがちだが、天災は人間の都合など関係ない。

いつでもどこでも起きうることを、むしろコロナ禍だからこそ一人ひとりが気を引き締める必要があるのではないか。




いつものスーパーのセンターコートでは、先週から「バレンタインフェア」が始まっている。

「初売り」から何日も経たないうちの事で、本番までは1カ月以上もある。

いくらなんでも早すぎでは・・・と思うのだけれど、煌びやかで美味しそうなチョコがたくさん並ぶと、自然にお客さんが集まってくる。

中にはもう買い求める人もいて、気が早いなと思ったけれど、相手に贈る為ではなく単に自分が食べたいだけかも知れない。

実際コロナ禍で自粛生活が続く中、自分に対する「ご褒美チョコ」として購入する人もいるらしい。

なるほど、この時期限定の商品も多いから、スイーツ好きには良い機会なのかも。

かく言う私も「スイーツ男子」の一員なので、時々売り場を覗いて見るが、どうも買う事は憚られる。

最近は女性だけでなく、男性が買い求める事は珍しい事ではないそうで、逆に女性に贈る為、家族へのプレゼント、そして「スイーツ男子」が買うと言う。

とは言え、私の様な小汚いオッサンがねえ・・・(笑)と、どうも気が引けてしまう。

結果地下の食品売り場で、既製品のチョコを買い物カゴに忍ばせるのだった。




元気ですか?

今日は良い一日でしたか?

体調はどうですか?

風邪など引いてませんか?

寒さはちょっと和らぎましたが、今週はまた雪が降る日も多くなりそうです。

空気も乾燥して冷たいので、喉や鼻の調子が悪くならないよう、何よりも身体が冷えないよう気をつけて下さい。

コロナ禍が再拡大し、県内も大都市圏程ではないにせよじわじわ増えている感じです。

君はワクチン接種を終えたと思いますが、人と接する機会が多いならばこれまで以上に予防対策意識を強く持って下さい。

寒さは無意識に体力を消耗させており、抵抗力が弱まりやすくなります。

以前の君は風邪を引きやすい体質と聞いていたので、コロナだけでなく全体の体調管理に注意して下さい。

明日以降、雪が積もる可能性もあるので外出の際には足元にも気をつけて下さい。

明日もどうかお元気で。

君に笑顔がありますように。

お休みなさい。



白雪の 降りしく山を 越え行かむ 君をぞもとな 気(いき)の緒に思ふ(万葉集巻十九 4281 大伴宿禰家持)







飛行機ネタ。

この世に光と影があるように、物事には必ず日の当たる部分とそうでない部分が存在する。

言い方を変えれば、そうでないと森羅万象が成り立たない・・と言う事でもあるだろうか。

例えが良いとは思わないけれど、オリンピック選手はアスリートなら誰でも目指す事であろうが、出場できるのはごく限られた人だけだ。

ましてメダルを取るとなると、さらに道のりは厳しい。

もちろんその実力を認められての結果であろうが、競い合って願いが叶わなかった多くの人がいて、初めてオリンピックに出場しメダルを取って脚光を浴びるのだ。

商品でも、開発者がそれこそ何年もかけて、そしてたくさんの種類を作っても「売れる」ものはほんの僅かであると言う。

ヒット商品の裏には、それこそ実力がありながらも世に出られなかったものが無数にあると言う事だ。

話が大げさになってしまったけれど、旅客機にもそうした部分は当たり前のようにある。

エアバス社の「大ヒット商品」は、言うに洩れずナローボディ機のA320シリーズだ。

同機はボーイング737やダグラス及びマクドネルダグラスDC-9/MD-80に対抗すべく、80年代末に開発された。

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1-1-1-39 A319 AIR FRAMCE-F-GRXB.jpg ↑(3枚)エール・フランスのA319-100。同社は30機保有し、国内線だけでなく近中距離国際線でも運用しているが、将来的には新しく導入が始まったA220-300との置き換えが予定されている(ウィキペディア英語版より)

それまでアメリカ製に独占されていた小型旅客機の市場に、「ヨーロッパ製」として殴り込みをかけた機体である。

開発時期こそ、20年以上の開きがあり、その間アメリカ製は数千機と言う莫大な機数を生産・販売していた。

だがデビュー後30年を経た現在、生産数は既にDC-/MD-80を遥かに凌ぎ、ボーイング737に迫りつつある。

20年の開きを考えれば、セールスと言う点ではもはやボーイング737を超えたと言っても過言でない程の勢いである。

A320はシリーズ化され、全部で4種類のバリエーションを持つ。

それは座席数の違いで、エアラインの需要に細かく応える為に順次開発された。

1-1-1-39 A319 Air_Inter_F-GPMC.jpg ↑ローンチカスタマー、エール・アンテールのA319。導入された時はエール・フランスとの統合が決定されていたため、同社の塗装で納入された(ウィキペディア英語版より)

基本となるのはA320であり、最大座席数は180席。

胴体を延長し、最大で200席級としたのがA321。逆に胴体を短縮し、座席数を最大で150席としたのがA319。

最も小さいのが110席のA318である。

A320が開発された当時、ボーイング737はそれまでバリエーションを持たなかった事に対して、新しいモデルチェンジ型として座席数によるバリエーションを展開した。

俗に言う「737クラシック」シリーズは、300~500型と3つのバリエーションを持たせていた。

順が一定していないが、最小モデルがオリジナルの200型と同規模で120席の500型、それよりやや大きく130席級としたのが300型、そして最大のモデルが150席級の400型である。

こまめに座席数を変えた事で、エアラインは需要に見合ったモデルを選択出来ることになり、同シリーズは瞬く間にブレイクしたのである。

それを見たエアバス社は、徹底的にB737を研究し、A320をシリーズ化させたのである。

ただし最小モデルとなったA318は、リージョナルジェットと呼ばれる機体と被ることから初期に受注は取れたものの、それ以上はなく80機の生産で終了した。

1-1-1-39 A318 Air_France,_F-GUGM.jpg ↑A320シリーズ最小モデルのA318。シリーズの中では最後に開発されたモデルだが、最も売れなかったモデルでもあり、80機の生産に終わった(ウィキペディア英語版より)

だが受注そのものは続けられたため、A320シリーズはB737よりも1種類多い4種類が販売されていた。

上記のようにA318は殆ど売れなかったので、実際には319・320・321の3種ではあったが、表面上はボーイングの上を行ったことになる。

なので実質的にはA319が、同シリーズの最小モデルと言っても良い。

1-1-1-39 A319-Turkish_Airlines,_TC-JLV.jpg ↑ターキッシュ・エアラインズのA319(ウィキペディア英語版より)

開発も数字順ではなく、最初が320、次が321で、その後319,318と逆行した様な形だ。

それは320・321よりもう少し小さいモデルを・・と言う要求が、当初から存在していたためである。

特にエアバス社の「地元」であるヨーロッパでは、域内路線需要が多く、高頻度で運航できる小ぶりなサイズが要望されていた。

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1-1-1-39 LUFTHANZA A319_(D-AILK).jpg ↑(2枚)ルフトハンザのA319。主に域内路線で使われるが、国際線ではビジネスクラスを含む2クラス制で運航される。ただしキャビンはモノクラスの座席で、ビジネスクラスは中間席をクローズするだけの「ヨーロッパスタイル」だ。路線や需要に応じてビジネス、エコノミーと使い分けている(ウィキペディア英語版より)

319は320の胴体を約3.5メートル短縮したモデルで、それによる物理的な改修は行われていない。

すなわち本当に胴体を短縮しただけの、ある意味お手軽なバリエーションモデルだった。

操縦システムももちろん先行した320・321と共通で、オール・フライ・バイ・ワイヤ機である。

コクピットも全く共通で、パイロットライセンスも同様である。

最初に同機を発注したのはスイス航空(現スイス・インターナショナル)、ルフトハンザ、そしてエール・フランスで(発注自体はエール・アンテール)、いずれも320・321を発注もしくは既に運用していた大手だ。

これらのエアラインは、路線の需要に合わせて機材を変更することが出来、加えてパイロットや整備面でも共通性を持つことは運航コスト削減に貢献した。

A319の原形機は95年に初飛行し、96年スイス航空で運航を開始した。

1-1-1-39 SWISS A319_(HB-IPV).jpg ↑A319のローンチカスタマーの一つで、最初に就航させたスイス航空。スイス・インターナショナルに変わった現在でも、近距離線から中距離線まで幅広く運用されている(ウィキペディア英語版より)

座席数のバリエーションモデルが作られるには必然とも言えたが、319の開発にはややもたついた。

エアバス社は70年代にフランスと旧西ドイツを中心に設立された、国際合弁企業。

経営はフランス側がアエロスパシアル、ドイツ側がMBB(のちのDASA)が音頭を取る形で、このほかにイギリスのBAe、イタリアのアエリタリア(現アレニア)、スペインのCASA、オランダのフォッカーが参加していた。

しかしこれら各国の民間企業が自主的に参加した訳でなく、政府が出資した合弁企業であった。

設立や運営に関しては、各企業間ではなく、政府レベルでの話し合いで行われ、出資や生産分担、利益分配などが協議されてでの設立だった。

これは第二次大戦後、民間機だけでなく軍用機、そして宇宙部門もアメリカと旧ソ連がほぼ独占していたことに起因する。

航空産業に関しては、元々アメリカよりヨーロッパの方が先に発達しており、各国とも独自の技術を蓄積していた。

だが大戦が終結し、いわゆる「西欧諸国」となったこれらの国々は開発を再開したものの、経済市場は小さかった。

ドイツは敗戦によって、戦後しばらく自主的な開発を禁止されていたし、戦勝国となったイギリス・フランス・オランダも直接の「戦場」でもあった為、復興に手間がかかり60年代になってもなお経済基盤は薄かった。

冷戦が始まったことでECを設立し、政治的だけでなく経済的にも連帯を組んでいたが、アメリカの経済力・工業力には遠く及ばなかった。

1-1-1-39 A319-115X_Fright Deck.jpg ↑A320シリーズ共通のコクピット。A319はライセンスが共通で操縦できる(ウィキペディア英語版より)

イギリスとフランスは、独自の旅客機を開発し、デ・ハビランド・コメットやシュド・カラヴェルなどジェット機に間にしてはアメリカに先行したものの、生産力・販売力と言う点で、アメリカにあっさりと抜かれてしまっていた。

もはやプライドだけで1国が開発することは困難であり、国際共同開発と言う流れに傾いたのは当然であった。

ところがエアバス社が設立されるにあたり、イギリスが自国の経済状態から経営から脱退し、その後オランダも脱退するなど、実際には前途多難であった。

これは現場では民間企業が運営するものの、資金は政府が負担することからイギリスやオランダはその分担分の折り合いがつけられなかったのだ。

生産分担については両国とも合意したものの、経営には直接参加しなかった。

1-1-1-39 A318 ALITALIA EI-IMX.jpg ↑経営破綻で70年に渡る歴史に幕を下ろした、イタリアのフラッグキャリア・アリタリア航空のA319。21年に「ITAイタリア航空」として再生し、A319は主力機材の一つとして継続運用される(ウィキペディア英語版より)

90年代初頭まで、エアバス社は処女作のA300、A310、そして空前のヒット作となるA320を開発していたが、これらには政府からの資金が使われていた。

幸いA320の受注が好調で、開発資金の減価償却が一定の見通しが立った事で、最初のバリエーションモデルとなったA321は、エアバス社自身が政府の資金援助なしで開発した最初の機体であった。

加えて初めて機体の最終組み立てがドイツで行われることになり、現地には工場が作られた(現地法人ドイッチェ・エアバスも設立された)。

これを機に、各国の参加企業は自主的な開発と生産分担を増やす事を模索し始め、その筆頭となったのがA319であった。

ドイツは既に敗戦国と言う「戦後」は終わり、80年代末には冷戦終結の起爆剤となった東西ドイツ統合を達成しており、経済力はヨーロッパトップになりつつあった。

1-1-1-39 A319 Eurowings,_D-AGWZ.jpg ↑ルフトハンザのLCC部門、ユーロウイングスのA319。A321に続き「ドイツ製」となったA319は、ドイツの各エアラインで採用された。エア・ベルリン、ジャーマニア、ジャーマンウイングス、ハンブルグ航空などが導入した(ウィキペディア英語版より)

それはアメリカやアジアからの投資も呼び込む事にもなり、ある意味エアバス社は内部分裂の危機さえ生じかねない状況であったのである。

仮にそうなれば、販売競争力が落ちることは明らかで、エアバス本社だけでなく政府も懸念する事になったのである。

その為にA319の事案が提出されて、正式な開発が開始されるまでに時間を要する事になってしまったと言ういきさつがある。

特にドイツは本社のあるフランスに対して強硬であり、最終的に開発を本社主導で行い、A321に続いて最終組み立てをドイツで行う事、部品の生産分担も各国の比率を高めることで、ようやくゴーサインが出たと言ういきさつがあった。

この辺が国際企業の泣き所と言うか、どうしても各国の思惑が露呈してしまう事がある。

日本ではあまり認識できないが、A320シリーズの場合、320の最終組み立てと飛行テスト、エアラインへの引き渡しは本社のあるフランスで行われるため、登録上320は「フランス機」となる。

一方319と321はドイツで行われるため、登記上は「ドイツ機」となり、極論売上金はそこが受け取る事になるから、思惑が交錯する訳だ。

もちろん機体の部品は、どの機体もイギリス・イタリア・スペインなどが分担生産しており、A319も同様である。

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1-1-1-39 A319-112_Air_Malta_9H-AEG.jpg ↑(2枚)ギリシアのオリンピック航空とエリン・エア、マルタ共和国エア・マルタのA319。オリンピック航空では退役したが、エリン・エアとエア・マルタは現役。どちらも海の国・観光国だけあり、塗装が明るく美しい(ウィキペディア英語版より)

機体の性能とは別に、開発から生産そして販売に至るまで、意外と紆余曲折があったのがA319とも言えた。

だがセールスは好調で、先に書いたようにヨーロッパのエアラインには人気だった。

また自由化直後の旧東欧諸国や旧ソ連構成国のエアラインも、比較的安価で最新鋭のハイテク旅客機が入手できると言う意味で発注した。

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1-1-1-39 A319 DRUKAIR Paroairport.JPG ↑(2枚)ブータン・ドゥルック・エアのA319と、同国唯一の国際空港パロ空港の同機。同社は2機のA319を保有し、ブータン唯一のジェット旅客機。パロ空港は急峻な谷間にあり、有視界離着陸しかできない空港。パイロットは特別選出された者しか操縦できない。同社の近代化に合わせ、離着陸性能に優れたA319が選ばれた(ウィキペディア英語版より)

A319のエンジンは、320・321と同じく、CFM56とV2500が選べる選択制。

出力はエアラインの用途に応じて定格は2種用意されているが、基本は320・321と同格である。

後に、出力に引き上げられたモデルも登場した。

A319は元々、320や321より座席数が少なく、短距離運用向けとしての需要を見込んだ機体だったが、全体的な構造は両機と同じことから、運用方法によっては「長距離」運用も可能な性能を持っていた。

1-1-1-39 A319-111,_Air_France.jpg ↑正面から見たA319。シリーズの320・321と全く変わらない前面形を持つ。主翼は低翼式と言われることも多いが、構造的には中翼式に近く、胴体を真円形にした事と中央部に燃料タンクを設置できるようにした為である。320・321より重量が軽く、燃料搭載量は同じなので、航続距離はシリーズ中最大を持つ(ウィキペディア英語版より)

カタログデータを見ると、A320の最大航続距離は約5,500キロであるが、A319は実に約7,000キロとなっている。

もちろん最大値と言う事で、座席数や貨物搭載量によって増減する訳だが、それでも僅か150席級のナローボディ機でこの値は、デビュー時としては驚異的でさえあった。

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1-1-1-39 A319 Air_Albania,_ZA-BEL.jpg ↑(4枚)民主化した旧東欧諸国のエアラインは、旧ソ連機を一掃する形でA319を選択した。エア・セルビア、チェコ航空、クロアチア航空、エア・アルバニアのA319。リースと言う形で新造機として導入出来る大きな魅力があった(ウィキペディア英語版より)

ただ90年代はまだ効率化・ダウンサイジング化が流行する前であり、当時この性能はあまり注目されていなかったように思う。

320・321よりも小型になって機体重量が減り、それでいて燃料タンクの容積はほぼ同じであることがその性能を持たせることになった。

導入した多くのエアラインは短距離路線を中心に運用したが、この長距離性能に目をつけたのが北米で最初に導入したエア・カナダである。

国土が広大な割に人口が希薄なカナダでは、需要が少ない路線でも航続距離の長いワイドボディ機を使わざるを得ない場合があり、効率が悪い路線が多かった。

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1-1-1-39 A319 Air_Canada_Rouge_(C-GARO).jpg ↑(2枚)A319初の大西洋横断路線の投入したエア・カナダ。近年はLCC部門のエア・カナダ・ルージュに移籍が続いている(ウィキペディア英語版より)

だがA319ならば、適正な輸送力で大陸横断が充分可能であったからだ。

更に同社は、東部から大西洋を横断する国際線へA319を投入した。

さすがに主要都市であるトロントやモントリオールからの直行は出来なかったが、最東部のグースベイからであれば可能であった。

同社のA319は、洋上飛行規制「ETOPS120」を取得して、グースベイからロンドン線などを運航し、同機の長距離性能を証明した。

一方隣国アメリカでは、国内線大手のUSエアウェイズが古くなったB727などの後継機としてA319を導入したほか、新興LCCのフロンティア航空やアメリカウエスト航空が導入した。

これらのエアラインでもせいぜい中距離路線が主だったが、長距離性能が分かると他の大手も導入を開始した。

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1-1-1-39 A319 FRONTIER-N949FR.jpg ↑(2枚)「国産」であるボーイングを押しのけて、アメリカの大手もA319を採用した。ユナイテッド航空とフロンティア航空のA319(ウィキペディア英語版より)

A319は胴体こそ小さめであるけれど、断面形は320・321と同じくナローボディ機では最大の直径を持ち、真円形に近い。

これはエアバス機全体の特徴であるが、ライバルのB737の断面形が逆卵型になっているのとは対照的だ。

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1-1-1-39 A319 AZERBAIJAN 4K-AZ05.jpg ↑(2枚)激レア機、リビア・アフッキャー航空と、アゼルバイジャン航空のA319。どちらも美しく格好良い塗装(ウィキペディア英語版より)

エアバス社は同シリーズを開発するにあたって、言葉は悪いがB737を反面教師として真逆の発想を持った。

B737は開発コストを下げるため、胴体はB707・727と同じ意匠で流用した。これは最新鋭の「737MAX」にも受け継がれている。

加えて60年代に開発された初期の100・200型は、あくまで短距離旅客機として開発された為に機内の余裕はあまり持たせていなかった。

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1-1-1-39 A319-_Tibet_Airlines.jpg ↑(4枚)需要の多いアジアでの採用するエアラインは少なかったが、中国は同機の最大ユーザーの一つ。中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空の3大メジャーだけで100機以上を運用し、中国全体では主に国内線用として200機以上が使われている。下はチベット航空のA319で、漢字表記は「西蔵航空」。大手3社は近距離国際線にも投入しており、日本線でも需要に応じて頻繁に飛来する(ウィキペディア英語版より)

エアバス社はそこに目を付け、A320シリーズの胴体を737より太くした。

その結果胴体下部に大きなスペースを確保できる事になり、床下貨物室には航空コンテナの積載が可能になった。

上下寸法は抑えられているが、幅はワイドボディ機が積載する「LD-3」規格のコンテナを積載することが出来るのは同シリーズ最大の強みにもなった。

コンテナを積めると言う事は、乗客とその荷物だけでなく、別途の貨物も輸送できる事であり、エアラインにとっては収入増につながる。

またコンテナは貴重品や冷蔵・冷凍が必要な貨物も輸送出来ることであり、簡易貨物機とも言える訳である。

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1-1-1-39 A319 Iberia,_EC-KOY.jpg ↑(3枚)フィンランドのフィン・エアとブリティッシュ・エアウエイズ、イベリア航空のA319.いずれも域内路線の主力機として運用する(ウィキペディア英語版より)

A319では、LD-3規格のコンテナを最大で4個搭載できる。

ただ小型化された分、320・321に設けられていた胴体後部左側のバルク用カーゴドアは廃止された。

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1-1-1-39 A319 LATAM_Airlines_Brasil.png ↑(3枚)中南米2大エアライングループのA319。上はアビアンカ航空、中はアビアンカ・コスタリカ、下はLATAMブラジル所属の機体(ウィキペディア英語版より)

これは乗客の荷物など、いわゆる「バラ積み」貨物を出し入れするドアだが、A319ではその前方にある後部貨物室ドアからコンテナとともにバラ積み荷物を出しれする。

加えてこの貨物室の一部には、コンテナ型の燃料タンクを搭載できる配線が施してあり、オプションとして航続距離延伸型として運用出来る構造を持っている。

このタイプは「A319LR」として、カタール航空が発注し、リース会社なども発注した。

LRの航続距離は最大で8,000キロに及び、これは日本からオーストラリアもしくは北米西海岸まで辿りつける距離だ。

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1-1-1-39 A319-132LR,_PrivatAir_(Lufthansa).jpg ↑(3枚)カタール航空とドイツのチャーターエアライン、プライベート・エアのA319LR。カタール航空機は政府やVIP輸送に使われる事が多い。プライベート・エア機は一時期ルフトハンザにウェットリースされ、同社便として運航された。キャビンは下の画像のようにオールビジネスクラスで、ビジネス需要の高い中東路線で運航された。何処か旧日本航空を思わせる塗装が面白い(ウィキペディア英語版より)

最もタンクの増設は後からの改修も出来る事で、通常型A319ながらも「LR仕様」に転換することが可能だ。

このオプションを利用して、エアバス社は「A319CJ」と呼ばれるプライベート仕様も発売した。

プライベート及びビジネス仕様であれば、航続距離は最大で12,000キロにも達する。

B737では、全日空が特注で「700ER」を導入し、オールビジネスクラスで運航したことが話題になった。

同機の航続距離も10,000キロ以上あったが、需要がなく全日空も数年間運用しただけで退役させた。

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1-1-1-39 A319-115X_CJ.jpg ↑(2枚)高級ホテルの室内を思わせる、プライベート仕様のA319CJのキャビン(ウィキペディア英語版より)

ところがA319では、「CJ」でも数十機の受注を受けている。

LRの生産は僅かであるが、「準LR」仕様に改修した通常型は多数存在する。

この他CJをベースとした軍用機・政府専用機がたが、現在まで70機以上生産されている。

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1-1-1-39 A319-133X_(CJ)_Germany_-_Air_Force_15+01.jpg ↑(3枚)フランス空軍、イタリア空軍、ドイツ空軍が運用するA319CJ。これらの機体はVIP輸送に充てられ、大統領や首相の外遊にも使われている(ウィキペディア英語版より)

A319は現在まで、1,488機生産された。

LCCの流行などで、その受注数は10年代後半以降伸び悩んでしまったが、今なお大半の機体は現役にある。

10年代にはオプションとして、翼端のウイングチップをシャークレットに変更出来るようになり、既存の機体も交換できるようになっており、シャークレット付きの機体が増えている。

現在最も多くのA319を保有するのは、意外にもアメリカン航空でその数は132機。同社はほぼ同数の320・321も保有しており、北米最大のA320シリーズのユーザーでもある。

アメリカン航空は当初A319を保有しなかったが、統合したUSエアウエイズの機体が編入されたことで自社導入で追加している。

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1-1-1-39 A319 American_Airlines_N9021H.jpg ↑世界最大のA319ユーザー、アメリカン航空。統合したUSエアウエイズの機体の他、自社発注機を含めて130機保有する。新造機の多くはシャークレット付きで、既存の機体も交換した機体が多い(ウィキペディア英語版より)

次に多いのはイギリス最大のLCCイージージェットで、グループ全体で127機。LCCは座席数が多い機体を使う傾向が強い中で、A319を多く使う同社は異色であるが、やや距離があってバカンス客に人気のスペイン・カナリア諸島やマヨルカ島、ギリシア方面などの路線に使われる事が多い。

1-1-1-39 A319 EASYJET -G-EZFT.jpg ↑ヨーロッパで最大数を保有する大手LCCのイージージェット(ウィキペディア英語版より)

100機以上を保有するのはこの2社だけだが、ユナイテッド航空が57機、ブリティッシュ・エアウェイズが40機など、大手やフラッグキャリアでの採用も比較的多いのが特徴だ。

ところが日本では、1機の導入例がない。

実は旧エアー・ニッポン(現エアー・ジャパン)が、一時エアバスからオファーされた事がある。

これは90年代半ば、A319のデビュー直前の事で、エアー・ニッポンは老朽化したB737-200の後継機選定の時期にあった。

結果的にはB737-500が選定されたが、A319もかなりプッシュされていたと言う。

直前に全日空がA320を日本で初めて導入し、グループだったエアー・ニッポンは共同事業機として運航していた事も影響していた。

同社が求める120~130席級よりやや大きかったことと、セールスの時点ではエアバス社内でA319の開発と生産分担についてもたついていたことから、要望する納期に間に合わない可能性があったため採用が見送られた。

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1-1-1-39 A319 Armavia_EK32012.jpg↑(7枚)ソ連崩壊後、ロシアと旧構成国は機材の更新が急務で、リースでエアバス機を大量に導入した。上からS7航空、アエロフロート、オーロラ航空、ウラル航空はロシア、下はモルドバのエア・モルドバ、アルマビアはアルメニアのエアライン。オーロラのA319はアエロフロートから移籍した機体で、日本線にも投入される事もある(ウィキペディア英語版より)

パイロットライセンスや、整備性と言う点ではA319の方が有利だったが、納入期限と言う点でB737の方に軍配が上がった。

また当時の日本では、まだエアバス機の運用例が少なく、旧日本エアシステムのA300と全日空のA320しかなく、サービス・サポートと言う点でも、ボーイングの方が有利に見られた。

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1-1-1-39 A319 SPIRIT N535NK_.jpg ↑(3枚)どういう考えで塗装の変更を行っているのか、良く分からないアメリカのLCCスピリット航空のA319。同社はULCC(ウルトラ・ローコスト・キャリア)として激安運航がウリだが、その分サービスに関しては常に「最低・最悪」の評価を持つ。初代塗装は比較的明るく爽やか、二代目は現代風、メカニカルで格好良いが、現行塗装はただ目立つだけの全身黄色。恐らくは世界で最も派手で目立つA319だろうが、私見としてあまり乗りたくなくなるようなデザインだ(ウィキペディア英語版より)

エアバス社では、カナダ・ボンバルディア社が開発したリージョナル機CS-100/300を「A220」として販売を開始した事で、カテゴリーがやや被りつつある。

A220の座席数は最大で130席であることから、エアバスは今後もA319の受注は当分続けるとしている。

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1-1-1-39 A319-American_Cabin.jpg ↑(3枚)デルタ航空は、統合したノースウエスト航空の機体を継承した後、自社発注でもA319を増やし、現在57機を運用中。下はデルタ機のキャビンで、アメリカのA319はファーストクラス(国内仕様)を含め2クラス制を持つ。新造機はオーバーヘッドストウェッジも大型化されている(ウィキペディア英語版より)

17年には320・321と同じく、発展型として更に経済的な「neo」の原形機も完成・初飛行し、受注も開始されている。

「A319neo」のエンジンもLEAP-1AとPW1100Gから選択できるが、これに合わせて従来型も「ceo」と区別されて並行受注・生産が行われる。

1-1-1-39 A319-151NEO,_Airbus_Industrie.jpg ↑17年に初飛行したA319neo(ウィキペディア英語版より)

10年代後半の受注数は、年間で10機程度と少なく320・321より遥かに少ないものの、neoだけでなくceoも数機ずつとは言え現在も発注するエアラインがある。

この他CJもneo化されることが決定しており、各国の空軍や政府機関からの受注を獲得している。

1-1-1-39 A319-Meraj_Airlines,_EP-SSL.jpg ↑激レア機、イラン・メライ航空のA319(ウィキペディア英語版より)

先に書いたようにA319は、全てにおいて320・321と共通化されており、小型化した分航続距離などのパフォーマンスが高まった機体だ。

最も321neoが長距離型として「LR」「XLR」が作られており、A319のメリットはやや薄れてしまった感は否めない。

だがコロナ禍が長引くにつれ、世界のエアラインはより一層ダウンサイジング化が進むと思われ、短距離から長距離までこなせるA319の実力はまだ薄れていない。

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